じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 東京タワー3景。
  • 竣工直後の東京タワー。1958年12月29日撮影。1958年12月23日竣工となっているが、12月29日の時点ではまだワイヤーロープがぶら下がっていた。
  • 増上寺前からの東京タワー。2007年1月撮影。
  • 世界貿易センタービル展望台からのライトアップ。2007年1月撮影。
↓の記事参照。

2019年1月12日(土)



【連載】

チコちゃんに叱られる!「地球はなぜ自転」、「東京タワーの色はなぜ赤と白か」

 1月11日に放送されたNHKチコちゃんに叱られる!#34の話題。この回は、
  1. なぜ地球は回っている?
  2. なぜ東京タワーは赤と白?
  3. なぜ東と西でお餅の形が違う?
  4. なぜさいころの1だけ赤い?
という4つの疑問が取り上げられていた。本日はこのうち1.と2.について取り上げる。

 1.の「回る」というのは公転ではなく自転についての疑問であった。(わざとトンチンカンな解答ばかりを集めた可能性はあるが)博物館内などでのインタビューで知らない人や誤解している人が多かったのが意外だった。「コズミックフロント☆NEXT」などを視ている人であれば、かなり正確に答えられると思う。

 番組でも取り上げられていた「自転の遅れ」であるが、ウィキペディアの当該項目には次のように記されている。
地球の自転は、潮汐力と呼ばれる月との間の重力相互作用によって、100万年以上にわたって徐々に遅くなってきた。しかし短期的(10年間〜50年間程度)に見ると、常に遅くなっているわけではない。例えば1970年代の1日の長さ(LOD)は、86 400.003秒程度、すなわち86 400秒に比べて3ミリ秒程度長かったが、近年(2012年から2013年)のLODは、86 400秒より1ミリ秒長い程度(6月〜8月には86 400秒よりも短くなる期間さえある。)である。これが1970年代から80年代には毎年のように挿入されていた閏秒が1999年以降は平均して4年に1度程度しか挿入されていない理由である。

LODの変動のうち最も大きな影響を及ぼすのは、潮汐であり、0.6-0.8ミリ秒程度の変動を引き起こす。これ以外に大きな影響を及ぼす物は季節変動である。

マグニチュード9前後の巨大地震もLODに若干の影響を及ぼす。2004年のスマトラ島沖地震では、自転速度が速くなり、1日の長さ(LOD)が6.8マイクロ秒短くなった。2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震でもLODが1.8マイクロ秒短くなった。ただし、この巨大地震の影響は潮汐の影響の1/100以下の微少なものに過ぎない。他に地球温暖化による極地の氷河が解け、水が移動することによる変化によっても1日当たり1ミリ秒ほど遅くなる影響を及ぼす。
 そう言えば、以前ほどには「閏秒の挿入」は話題にならなくなった。但しウィキペディアの「閏秒挿入の理由についての間違った理解」という項目にあるように、以下は誤解であるそうだ。
  1. 地球の自転速度が徐々に遅くなっているために、これと国際原子時との差を調整するために閏秒を挿入している。
  2. 頻繁に閏秒が挿入されてきたのは、地球の自転が徐々に遅くなっており、この遅れを調整するためである。


 次に、「なぜ東京タワーは赤と白?」という疑問。正解は「低くしたくなかったから」で、ウィキペディアの注釈には
羽田空港に近い場所に建設したため、日本国外の航空会社から、衝突事故回避のため70m低くするよう要請されたが、エッフェル塔より高くしたいという当時の社長の意思により、高さを維持したまま昼間障害標識として塗り分けられた。なお実際の東京タワーの色は白とインターナショナルオレンジ。
と説明されていた。

 番組では全く言及されていなかったが、このことですぐに思い浮かぶのは、東京スカイツリーの色はなぜ昼間障害標識の適用対象にならないのかという疑問である。ネットで検索したところ、
昼間障害標識の設置は「高光度航空障害灯又は中光度白色航空障害灯を設置するものを除く」という規則に基づいており、日中にも障害灯を点灯することで、安全性を確保しているため。
というのがその理由であるようだ。では東京タワーも、「高光度航空障害灯又は中光度白色航空障害灯」を設置すれば別の色に塗り替え可能ではないかと思ってしまうが、このことについてはウィキペディアに
航空法によりストロボのような白色航空障害灯を常時点滅させれば現在のペイントを変更することは可能だが周囲には住宅や高速道路があり、住民への迷惑、運転者への安全を考えるとペインティングの変更は考えにくい。2008年現在は7等分の塗り分けだが、建設当時から1986年までは11等分に塗り分けていた。また大展望台の外壁は現在は白色だが、1996年まではインターナショナルオレンジだった。
という説明があった。

 なお、このことに関連するが、今回、チコちゃんでこの話が取り上げられる前まで、私は、東京タワーの色は、土台からてっぺんまでインターナショナルオレンジ一色であり、白の部分はないと思っていた。上掲の増上寺前からの東京タワーの写真にもあるように、自分でも撮影したことがあるのに、白い塗装部分の記憶が残らなかったことは不思議である。おそらく、写真右のようなライトアップされた時の「全体オレンジ色」の印象が強く焼き付いているためではないかと思われる。

 次回に続く。