【小さな話題】チコちゃんに叱られる!「白衣」、「ネジのプラスマイナス」
5月3日放送のNHK 「チコちゃんに叱られる!」の続き。本日は残りの3つの疑問について取り上げる。
- なんでお医者さんは白衣を着ているの?
正解は「イメチェンしたかったから」となっていたが、この疑問もまた、
- ある行動が習慣化された歴史的経緯は?
- ある習慣が今なお続いている理由は?
に分けて答える必要があり、イメチェンという説明は1.に関するものであった。2.については、やはり衛生上の理由が最も大きいように思う。一般に、医療関係者、調理師などは、清潔さをアピールするために白衣を着用することが多いし(但し、補色残像が生じないグリーンスクラブもある)、そのいっぽう、土木、庭師など、どうしても泥がついてしまうような作業に従事する人たちは、汚れの目立たない色にしていると思う。
- なんでネジにはプラスとマイナスがあるの?
今回の番組の中では、この疑問がいちばん興味深かった。番組の説明によれば、ネジはもともとマイナスネジのみであったが、現在では、作業が楽で効率的という理由から9割がプラスネジになっているという。
ではなぜ、すべてのネジがプラスネジに置き換わらないのか、については、「プラスネジは溝にゴミが詰まるとドライバーが入らず取り外しにくくなる」という理由が挙げられていた。それゆえ、電気メーター、消火栓、お風呂場など、初めから汚れが想定される場所では今でもマイナスネジが多用されているという。
番組によれば、明治時代はマイナスネジが主流であったが、1938年にフィリップス・スクリュー社がプラスネジを開発、日本にも入ってきたものの加工技術がなく生産量は圧倒的に少なかった。その後、本田宗一郎が1952年に工作機械の視察で渡米した際にプラスネジを持ち帰り自社のバイク製造に使用するため大量生産を開始したという。
1952年と言えばちょうど私が生まれた年であるが、私の子ども時代はもっぱらマイナスネジばかりで、大学に入って実験装置を組み立てるようになる頃まではプラスネジに接することは無かったように記憶している。
一般的に、プラスネジであれば手探りでもドライバーを差し込むことができるし、ネジの溝がつぶれにくいといったメリットがあることは確かであろう。
プラスネジ「+」の水平(もしくは垂直)の溝をマイナスネジと同じくらいに長く掘っておけば、プラスネジ用ばかりでなくマイナスネジ用のドライバーでも操作できるので便利であるように思える。ウィキペディアによれば、このタイプは「プラスマイナス穴」と呼ばれているようである。
このほか、番組でも言及されていたが、溝の幅の広いマイナスネジは、ドライバーの代わりにコインでも操作ができる。ボタン電池の取り替え口のフタなどがこれにあてはまる。
- 「なぜ讃岐うどんは香川名物になった?」
正解は「大ピンチだった香川さんが大阪万博で売りまくったから」となっていたが、私の理解では、香川県はもともと、小麦、塩、醤油、といった点でうどんの生産に適していたというのが一番の理由であったと思う。もちろん、全国的に有名になる引き金というのはあるとは思うが。
- なんで雲は落ちてこないの?
この疑問は4月24日放送の又吉直樹のヘウレーカ!「風はどこから吹いてくるの?」でも取り上げられていたので、いずれ、そちらのほうでコメントさせていただくことにしたい。
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