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NHKスペシャル・シリーズ人体U「遺伝子」で、DNA解析から推定された特徴例。体格や体質的特徴のほか、「ポジティブ思考」、「数学的思考が得意」、「好奇心が強い」、「落ち込みにくい」、「打たれ強い」、「粘り強い」といった行動的特徴が含まれていることが注目される。↓の連載記事参照。 |
【連載】 遺伝子の最新研究と心理学の将来(1) 5月上旬に、NHKスペシャルでシリーズ人体U「遺伝子」という話題が取り上げられた。このうち5月4日は予告・紹介版、5月5日が第1集、5月12日が第2集となっていた。
このうち1.については、
番組を視聴していると、こうした発見によって、個体差のかなりの部分が、遺伝情報やDNAスイッチのオンオフによって説明できるような気になってしまう。心理学の研究もかなりの影響を受けるようにも思われる。もっとも、一般視聴者向けの内容だけから議論を進めることは危険であるし、いくつか誤解を招きやすいような点もあるように思われた。 このほか、こういう研究が悪用される危険にも注意をはらう必要がある。どこぞの独裁国家が秘密裏に遺伝子情報やDNAスイッチを改造して天才人間を作り出し、そうした天才たちに大量破壊兵器を開発させて地球を支配する(あるいはうまく支配できず、自暴自棄になった支配者によって地球全体が破壊される)ということもありうるだろう。そこまで行かなくても、かつての優生学思想の誤りを犯す危険は充分にありうるように思う。 とはいえ、人類に有用と思われる研究、例えば遺伝子病の治療、癌治療などの発展も期待されるので、頭ごなしに否定するわけにはいかない。 次回に続く。 |