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5月下旬の京都旅行では、午前中は修学院参観、北白川でラーメンを食べたあと、京大構内に立ち寄ってみた。 かつて私が出入りしていた文学部東館はいまも残っていて中に入ることができたが、だいぶ前から西側の新館に全面移転しているらしく、廃墟と化していた。おそらくこのあと取り壊し、もしくは大規模リフォームが行われるものと思われる。
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【連載】 チコちゃんに叱られる!「ニワトリのたまごの形」、「祝祭日の祭日」 5月31日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」の話題。今回の疑問は、
まず1番目の「ニワトリの卵の形」についての疑問であるが、転がりにくいためであることは容易に察しがつく。といっても、ニワトリがわざわざ緻密な数値計算をしたうえで理想の形を設計したわけではない。もともと、多くの生物の卵は球体であり、鳥の先祖ももともとは球体の卵を産んでいたはずであるが、時折、楕円形の変異が生じていた。そういう中で岩の斜面などに営巣する鳥では、球体よりも楕円型の卵のほうが転がりにくいため、より多く孵化するようになる。そうした自然選択によって、結果的に、楕円形、さらには今のような卵形(円錐のように端が細くなった形)を産む遺伝子が引き継がれてきたものと考えられる。 この話題でスゴいと思ったのは、西山先生による「Rolling Eggs Stop on Slopes」理論。その論文は、 Nishiyama, Y. (2012). The mathematics of egg shape. International Journal of Pure and Applied Mathematics, 78(5) , 679-689. として公刊されているようである(PDFで全文閲覧できるようであるが、私の数学能力では理解できなかった。) なお雑学系クイズ番組でときたま出題されるニワトリネタとして、「ヒヨコはなぜ黄色なのか?」というのがある。チコちゃんでもいずれ取り上げられるであろう。 次の、2番目の祝日と祭日の違いについても正解は大体予想できた。要するに、1948年(昭和23年)に施行された「国民の祝日に関する法律」では祭日は存在しない。「国民の祝日」、「振替休日」、「国民の祝日」の3種類であって、皇室が行う宗教儀礼の日としての祭日は休日にはならない。但し、1948年以前の祭日であった、春季皇霊祭は春分の日、秋季皇霊祭は秋分の日、新嘗際は勤労感謝の日というように名称と趣旨を変えて祝日として存続しているという。 私が長年疑問に思っていたのは、正月三が日のうち1月2日と1月3日はなぜ休日なのかという点であった。 今回の番組によると、1月3日は元始祭という祭日であったが、1948年以降は休日にはなっていない。ウィキペディアでは、 日本の官公庁や多くの企業では、三が日が正月休みで、1月4日から平日となる。労働基準法上の扱いは、国民の祝日と同じ法定外休日である。と記されており、「法定休日」と「法定外休日」とでは、どうやら割増賃金の規定などで違いがあるようだ。また官公庁のように「行政機関の休日に関する法律」で定められている場合は当然休みとなるが、民間企業の場合は社内規程などで別途、「1月2日と3日は休業日とする」というような規定を設ける必要があるのではないかと思われる。 ちなみに岡山大学の場合、教職員は服務規程第2条の2において、 第42条の2 職員の休日は,次の各号に定める日とする。となっていて、1月2日と3日はこの規定に基づいて休日となっているようである。また学生の場合は、学則第3条において、 第3条 学年中定期休業日は,次のとおりとする。となっていて、1月2日と3日は冬季休業に含まれているため授業が行われないことになっているようだ。もっとも最近では4学期制導入による授業時間確保のため、1月4日は「休業日ではあるが授業を行う日」となる場合がある。 次回に続く。 |