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泰山木の花が各所で咲いているが、たいがいは高い枝に花をつけているため間近に接写することができない。写真左は岡大・保健管理センター前の泰山木。写真右は、半田山植物園内でいちばん低い枝に咲いた花を接写したものだが、上向きに咲いているため花の芯を撮ることはできなかった。 |
【連載】 又吉直樹のヘウレーカ!「“かわいい”ってどういうこと?」 (4)無条件刺激、条件刺激としての「かわいい」、「かっこいい」、「美しい」、性的刺激 昨日に続いて、又吉直樹のヘウレーカ!の「“かわいい”ってどういうこと?」 に関する話題。 昨日の日記で、「かわいい」とタクトされる視覚刺激の強化機能(=それを見ようとする行動が強化される)について述べた。また、視覚画像それ自体が強化子(好子)となっている刺激としては、「かわいい刺激」を含めて少なくとも4つのタイプが考えられると述べた。
このうち誘発機能が最も顕著なのは4.であり、性的興奮に関する諸反応が誘発される。これに対して、1.〜3.は、それほど顕著な反応は生じないように見えるが、番組では「かわいいものを見ると大頬骨筋(だいきょうこつきん)」が活動すると説明されていた。この筋肉が活動すると口が横に開いて微笑んでいるように見えるという。実際、「かわいい」とされている対象を見ている人は微笑む表情をしている。 このほか、生理反応としては、「かわいい」や「かっこいい」はおそらくドーパミン系、「美しい」はセロトニン系に作用するような気もするが、勉強不足でよく分からない。 上記の1.から4.が質的に異なる反応を誘発することは経験的には納得できるように思う。例えば、「かわいい」反応を誘発するパンダやコアラを見て性的に興奮する人は居ない(←居たとしたら変態性欲と見なされる)。パンダやコアラを「カッコいい」とか「美しい」と見なす人もたぶん居ないだろう。 とはいえ、1.から4.が誘発する反応には個人差があり、かつ複合的であるようにも思える。例えばミロのビーナスは普通は3.の「美しい」反応を誘発すると思われるが、半裸であるゆえ、性的に興奮する人もおられるかもしれない。また、「かっこいい」対象の中には、フィギュアスケートの技とか剣舞のように、「美しい」と見なされるものもある。 けっきょくのところ、誘発される反応の種類に基づいて分類することには限界があるようにも思える。となると、むしろ、それぞれの時代や文化の中で、実用性のある分類を追求していったほうが生産的であるようにも見える。ここでいう「実用」とは、上記1.〜4.を健全な日常生活やビジネスに役立てる方策、あるいは心理療法の中でこれらをより有効に活用するための方法を開発する上での有用性を意味する。 次回に続く。 |