Copyright(C)長谷川芳典 |
与島から眺める瀬戸大橋。車で瀬戸大橋を渡るのはたぶん6年ぶり。 |
【連載】 又吉直樹のヘウレーカ!「仕掛学」と行動分析学(3) 昨日に続いて、7月17日放送の又吉直樹のヘウレーカ!「なぜ駅前の放置自転車が急になくなった?」の感想とコメント。 本日は、「傘立てからボクの傘が盗まれる!どうしたらいい?」について私なりに考えてみたいと思う。 行動分析学の原理から言えば、傘を盗む理由として考えられるのは、次の2つであろう。
1.は傘特有の問題であり、100円ショップなどで売られている安価なビニール傘や折りたたみ傘が多いため、持ち主もちゃっかり盗む人も、これは自分の傘だという所有感が乏しい。傘立てに同じ形の傘が5本も並んでいれば、そのうちの1本を拝借しても迷惑にならないと思われるのかもしれない。 では、どうすれば1.を防ぐことができるのか? 一番簡単なのは、傘の手元部分を差し込み式にしておいて、傘立てに立てる時はそれを引っこ抜いて持ち歩くようにする。1.の理由で傘を盗む人は、雨に濡れないことが目的なので、手元部分が引っこ抜かれた傘をわざわざ盗もうとはしないだろう。 さらに確実なのは、カギを差し込まないと傘が開かないような仕掛けである。開かない傘をわざわざ盗む人はおるまい。 いずれにせよ、盗んだことが何らかの形で強化されるから起こる。行動が強化されないような仕掛けを作れば、盗む人はいない。 このほか、駅前や店の店頭で、傘を無料で貸し出すようにすれば、わざわざ盗む人は出てこない。借りた傘は、適宜、元の場所に戻してもらう。忘れ物として処分された傘を使えばいい。じっさい、いくつかの地域では、そういうシステムが実施されているはず。 次回に続く。 |