Copyright(C)長谷川芳典 |
【連載】 又吉直樹のヘウレーカ!「なぜ水がここに流れているの?」(2) 昨日に続いて、7月24日放送の又吉直樹のヘウレーカ!「なぜ水がここに流れているの?」の話題。 番組で興味深かったのは、流れない水の働きによって植生に変化が起こるということであった。 保護活動が始まる前、小網代の森は、1960年代から50年間、放置されており、土が乾きササしか生えない場所になっていた。その対策として、杭を打つと大雨で土砂がたまり、また保水性が高まることによってササは根絶やしとなり、湿地に強い植物に入れ替わったとのことである。 湿原に強い植物としては、ガマ、アシ、オギがある。最も水気の多い場所はガマが好み、乾燥してくるとオギが繁殖する。オギが殖えてくることは湿地としては黄信号であり、放っておくと再びササ原になってしまう恐れがあるという。 こうして考えてみると、何も手をつけずありのままに放置しておくだけが自然保護ではないことがよく分かる。特に都市近郊では、住宅地造成などにより流域の生態系が破壊され、そのいっぽう、繁殖力の強い外来植物が入り込んでくる。そういう点では能動的な保護が必要となるが、その際、単に外来植物を駆除するというだけでなく、流域を守るための巨視的・長期的なデザインが必要であるということがよく分かった。 ちなみに、東京都心部で自然保護を重視しているエリアと言えば目黒の自然教育園があるが、以前、野鳥が持ち込んだシュロが繁殖して問題になっているというニュースを耳にしたことがある。もっともこちらの報告によると、特に駆除は行われていないようである。 このほか、以前、明治神宮の森が紹介されたことがあったが、当然のことながら立ち入り禁止となっていて、NHKスペシャルの映像や、専門家の報告を伝え聞くことしかできない。 |