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【小さな話題】 定年退職後になっても始めなかったこと 8月23日の夕刻はいつものように半田山植物園に出かけた。1月1日から113回目の入場となった。この日は気温31.1℃の蒸し暑さに加えて上空に真っ黒な積乱雲があり、私以外には誰も入場者は見かけなかった。また、帰りがけには1時間あたり4.5ミリの強い雨が降り、折りたたみの傘を持参していたものの、ズボンはずぶ濡れになってしまった。 この半田山植物園通いは、心肺機能と足腰の鍛錬、また今の季節であれば暑熱馴化が目的ではあるが、花や昆虫の写真撮影も兼ねており、一挙両得となっている。おかげで、先月のモンゴル最西端トレッキングの際にもしっかり歩けたし、35℃程度の炎天下にもすっかり慣れてきた。 いっぽう、定年退職後になって自由時間が増えたにもかかわらず、殆どやっていない行動もかなりの種類にのぼっている。
といっても、これだけをやっておかないと悔いが残るというほどのライフワークはない。基本的には持続的に楽しめる活動であればそれでよい。絶対にやっておくべきことというのは何もないし、また、単なる時間のムダにすぎないというような活動は本質的には存在しないと思う。 私がスポーツや楽器に取り組まない1つの理由は、いくら練習したところで上達のレベルは知れている、そんなことに多大な時間を使うのはムダではないかという考えによる。しかし私自身はそう思っているだけのことで、練習それ自体が楽しみである人たちはぜひとも取り組んでほしいとは思う。 ゲーム類も人それぞれだと思うが、あまりのめり込んでしまうと依存症になり、一日中熱中することで、他の価値ある多様な活動をする時間が奪われる危険がある(パチンコ依存など)。 家庭菜園は魅力的ではあるが、今のところベランダの鉢物に水やりをするだけでも手一杯で、お金を出してまで取り組もうという気にはならない。 読書については、現役時代は専門書や論文を読むだけで精一杯であったが、隠居宣言をした今はもっと多様なジャンルに目を向けることができるような環境となっている。しかし、小説はもとより、マンガ、さらには(読書とは言えないが)アニメにも全く関心が持てない。その一因は、私の場合、作中の人物の名前や特徴を記憶するのがひどく面倒であり、頭に入りきらないことにあるようだ。 ということで、定年退職後に新たに取り組んだことは殆ど思い当たらない。かといって、毎日の生活はそれなりに充実しており、特に迷いがあるわけでもないし、何もしたくないといった鬱気分に見舞われることも今のところ全くない。 |