じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



10月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
 先日、岡山空港から帰る時に乗車した岡電のリムジンバス。外装があまりにも派手なので、本当に路線バスなのかどうか戸惑ってしまった。
 このチャギントンだがこちらの案内によると、現在、特別乗車の申し込みを受け付けているようであるが、運賃はかなり高い。個人的には、どうせ乗るならカバ車のほうが興味がある。

2019年10月25日(金)



【連載】#又吉直樹のヘウレーカ! 「4色ボールペンって便利なの?」(1)四色定理

 10月9日に再放送された、

又吉直樹のヘウレーカ! 「4色ボールペンって便利なの?」

を録画再生で視た【初回放送は2019年1月9日】。

 「ヘウレーカ!」のタイトルは、番組内容と一致しないことが多く、この回も、「なぜ4色ボールペンが造られるようになったのか?」という内容かと予想していたところ、全く異なる数学の話題であった。

 ということで、番組内容について感想を述べる前に、4色ボールペンの起源について一言触れておくが、こちらを初めとした各種ネット情報によると、看護師が患者さんの測定値を記入する際に「呼吸」「血圧」「脈拍」「体温」を色分けして記入するというルールがあり、これに対応して造られたというのが定説になっているらしい。またその際、暗い場所でもミスが起こらないようにノックボタンの形が色によって変得られているとのことであった【もっとも、私の手元にある4色ボールペンのノックボタンはみな同じ形であった】。

 なお、4色が赤、青、緑、黒となっているのは別段、RGBとよく使う黒に対応したわけではなさそう。仮に「赤、青、黄、黒」に変えたとしても、黄色の文字では見えにくく使われないままになってしまうように思う。

 さて、元の番組の話題に戻るが、番組前半はボールペンとは全く関係のない四色定理の話題であった。四色定理は長いあいだ未解決であったため、証明された後も「四色問題」と呼ばれることが多いという。

 四色問題がコンピュータの計算によって証明されたのは1976年、私が大学院1年目の年であった。中学・高校時代にはまだ未解決であったことから、自分自身でも解こうとしたり、将来は数学者になって四色問題を解決したいといった夢をいだいたこともあった。なので、この番組に関しても、「4色」という言葉を聞いた時に真っ先に連想したのは、「4色問題」であった。

 四色問題の証明はあまりにも膨大で、「エレガントな解法」ならぬ「エレファントな解法」とも揶揄される向きもあるという。もっとも、2004年にはもう少し洗練された手法が開発されているという。

 中学・高校時代には「立体四色問題」というのを考えたことがあった。例えば、

●レンガをハンマーで砕いてバラバラにする。それぞれの破片を着色してから元のレンガの形に復元する。同じ色の破片が重ならないようにするには何色必要か?

というような問題であった。もっとも、ウィキペディアに、「三次元以上では領域の取り方次第でいくらでも色数が必要な例が作れる。」と記されているように、本当は「立体四色問題」は存在しなかったようである。

 じっさい、例えば、タコの8本の足が同じ色どうして接しないように彩色するには8色が必要であり、足が10本なら10色、100本なら100色が必要であろうから、ちょっと考えてみても「立体四色問題」は成り立たないことが判る。但し、

●レンガをハンマーで砕いてバラバラにする。それぞれの破片を着色してから元のレンガの形に復元する。4色だけを使って同じ色の破片が重ならないようにするには、破片がどういう形であることが必要か?

というように書き換えれば問題としては成立するかと思う。

 ちなみに、今述べた改訂版は、「与えられた地図Gに対し、Gを3色で塗り分けできるかどうかを決定せよ」という3彩色問題に似ているようにも見える。こういうのはNP完全問題というらしい。

 もう1つ、四色定理に関連して、グラフ彩色というのがあるという。これに関する未解決問題もあるというが、残念ながら、私には、問題の意味すら理解できない。

次回に続く。