じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 10月31日は、月齢3.3の月と木星が1°18′まで接近した(23時22分)。写真上は17時51分頃に撮影した最接近前の様子。
 あくまでローカルな話題だが、この日はまた、旧・京山タワーと月入りが重なる現象が見られた。日没が京山タワーと重なる現象は、京山金環日食現象と名づけて何度か写真を掲載しているが、沈む月と京山タワーが重なる現象はおそらく今回が初めてであった。
 京山タワーに月が重なる現象は、理論的には毎月2回見られるはずだが、月入りの時刻が深夜や日中になる場合は観測困難。また、月は太陽より遙かに暗いので、地平線近くが霞んでいると月入りの瞬間を眺めることができない。こうした事情があり、極めて希有な現象。いずれ、満月の月入りが京山タワーに重なるチャンスを狙ってみたいと思う。

2019年10月31日(木)



【連載】#又吉直樹のヘウレーカ! 「あなたは何色に見えますか?」(5)日本語の色名の謎(1)

 昨日に続いて、10月25日に放送された、

又吉直樹のヘウレーカ! 「あなたは何色に見えますか?」

の感想と考察。

 番組では、続いて日本語の色名の話題が取り上げられた。まず、番組でも一部言及されていたが、日本語大辞典でより詳しく調べたところ、日本語で形容詞として存在する4色の語源は、以下のようになっているようである。
  • 赤い:「明(あか)い(明し)」と同源で、もと、光の感覚を示したと考えられる。上代では赤色の意の例は見られない。平安時代には色にも用いるが光の場合と用法の別がない。これは今日でも関西方面の「あかい」が「明るい」の意を持つのにつながる。【一部改変】
  • 黒い:色名としては「あか(赤)」と同じく複合語として用いられることが多い。赤が明るさについていうことから派生したように、「くらし(暗)」と同源で、本来は暗い状態を表わす語から発したと考えられる。
  • 白い:明るくて特別の色がないと感じられる状態。【語源については記述なし】
  • 青い:(本来は、黒と白との中間の広い色で、おもに青、緑、藍をさす) 青の色をしている。青の色である。

 日本語大辞典ではまた、

●色名で、シロシのように、上代から色名をそのまま形容詞として用いているのは、この外、アカ・アヲ・クロに限られる。

と記されており、さらにネット上の情報では、
  • 日本語には色彩語がない。
  • 「明暗」、「顕漠」という色彩感覚に対応しているのが「赤黒」と「青白」
といった情報があった【これらの話は、今回の番組では取り上げられていない】。

 いっぽう、番組では、
  • 日本には今ほとんど使われない多くの色名があり古典文学や和歌で詠まれている
  • 草木染めでは膨大な数の色名があてられている
と紹介されていた。

 それにしても、形容詞として使われる色名が「赤い」、「黒い」、「青い」、「白い」の4色しかないということは、日本語を学習している外国人にとってはかなりの混乱になるのではないかと思われる。例えば、目撃者証言で「あの車は何色でしたか?」と尋ねた時、上記4色であれば、「赤かった」、「黒かった」、「青かった」、「白かった」というように形容詞の過去形で答えることができる。しかし、もし緑色の車だった時は「緑かった」とは言えない。黄色の場合は「黄色い」という形容詞?があるものの「黄色かった」とは言えない[]。いずれも「緑だった」「黄色だった」と答えるのが普通であろう。
]「黄色い」が形容詞であれば、「黄色かろう」、「黄色かった」、「黄色く」、「黄色い」、「黄色い」、「黄色ければ」という変化をするはずだが、私個人の語感では「黄色く(なる)」と「黄色い(花)」以外の活用は何だか変な気がする。

 英語では、「red」、「black」、「green」、「yellow」は、いずれも色名としての名詞でもあり、形容詞としても使えるので、日本語のように特定の色名だけを形容詞として区別する必要は無さそう。

日本語の色名がなぜこんなことになったのか? いろいろ考えてみる必要がありそうだ。

次回に続く。