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書庫の整理をしていたところ、2013年1月4日にNHK「世界の名峰グレートサミッツ」で放送された「ハン・テングリ」のDVDが出てきた。ダビングしたあとでどこかに紛れていたもので、なんと、視聴したのは今回が初めてとなった。
この登山の撮影を担当されたのは平出和也さん。平出さんは、このハン・テングリのほか、エベレスト4回登頂者としても知られているが、私個人としては、今年の9月の西チベット一周旅行で目にすることができた、カメット(2008年10月)【写真下】やナムナニ(2011年11月)の登頂者としてのお名前を存じ上げていた。このハン・テングリの番組でも最初のところでカメット登頂時の映像が紹介されていた。 ハン・テングリは、昨年7月に訪れたキルギス・アドベンチャーの最大の目玉でもあり【写真中】、また、2013年8月のトルクメニスタン旅行で仁川からタシケントに向かう機上から、夕闇迫る中でその雄姿を眺めたことがあった【写真上】。 なお、グレートサミッツで紹介されたハン・テングリ登頂ルートは、北側のカザフスタン側からのルートであり、私が訪れたキルギス側の南イニルチェク氷河とは異なる場所であった。もっとも、ヘリの起点となるカルカラ谷キャンプ地は同じ場所であった(但し、ヘリポートはカザフスタン領内の1箇所のみで、トレッキング客はキルギスからカザフスタンへ国境を越えてヘリに乗っているように見えた)。 |
【連載】関係反応と #関係フレーム をどう説明するか(53)専門書、入門書で取り上げられている事例(10)刺激等価性研究(3)「AならばB、AならばC」型の訓練と「AならばB、BならばC」型の訓練(1) 関係フレームの特徴の1つに「複合的相互的内包(普通は「複合的内包」と略される)」がある。これは、刺激等価性研究でいう推移性「AならばB、BならばC」を発展させた考え方のようである。ところが一部の入門書では、「AならばB、BならばC」ではなく「AならばB、AならばC」型の訓練を紹介している場合がある。 じっさい刺激等価性の初期の研究であるSidman & Tailby (1982)の7ページの図では、
●Sidman, M. (1971) Reading and auditory-visual equivalences. Journal of Speech and Hearing, 14, 5-13. が引用されていたが、私自身はこの文献は入手していない。但し、紹介されていた実験パラダイムはSidman & Tailby (1982)と同様であるように見える。 それはそれとして、私が困惑したのは、ACT第二版(翻訳書は2014年)の第2章に紹介されていた図であった。翻訳書の図2.1.では
あえて「AならばB、BならばC」型でなく「AならばB、AならばC」型を取り上げているのは、過去の研究の歴史を忠実に再現するためなのか、それとも刺激等価性研究と関係フレーム理論の違いを浮き立たせるためなのかはよく分からない。いずれにしても、刺激等価性に関する初期の研究が「AならばB、AならばC」型の実験計画から始まったことは間違いなさそうである。 次回に続く。 |