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1月末から2月初めに新幹線で上京したが、例年なら雪景色が見られるはずの米原付近でも平地の積雪はゼロ。伊吹山も頂上付近がうっすらと雪化粧している程度であった。写真上は伊吹山、写真下は米原駅。 |
【ちいさな話題】地球温暖化と積雪の関係 今年の冬は暖冬気味で各地のスキー場で雪不足が続いているという。岡山県内にある恩原スキー場は、直近の状況で積雪10cm、リフトは点検中、氷紋まつりは中止となっている。またウェザーニュースのゲレンデ情報によると、岡山県近隣で全面滑走が可となっているのは大山の2箇所のみであり、残りは人工降雪などにより部分可、もしくは不可となっている。2月6日以降しばらく真冬の寒さが続くということなので、雪不足はいったんは解消される可能性があるが、2月13日頃からは再び暖冬気味という予報が出ており、スキー場関係者にとっては大きな痛手になるものと思われる。このほか、山岳地帯への積雪は天然のダムの役割を果たしていることから、積雪が少ないと雪解け水も減って、4月以降に水不足に陥る恐れも出ているという。 このことに関連するが、2月5日放送のNHK くらし☆解説で、 どうなってるの?“異変”続く冬 という話題を取り上げていた。それによれば、今年の暖冬傾向は、偏西風が平年より北へ蛇行し、大陸からの寒気の南下を“ブロック”しているためであるという。また、中長期的にみると、「平均気温が産業革命前から4℃上昇すると、最大積雪は全国平均で45cm減る(気象庁)」という予想があるという。 もっとも、地球温暖化が進んだからといって直ちに雪不足になるというわけではない。日本で降る雪には、冬型気圧配置のもとでの日本海側での降雪と、日本の南を通過する低気圧による降雪があるが、このうち前者による積雪量は、日本海を寒気が吹き抜ける時の、(1)大気中の水蒸気量と、(2)寒気との温暖差、によって決まる。地球温暖化が進めば日本海の水温も上がるので大気中の水蒸気量が増え、寒気との温暖差が広がる可能性もあるので逆に積雪が増える可能性もあるらしい。東北大の研究者による解析では、温暖化が進むと、全体としては積雪量が減る地域が多いものの、北信越の山沿いでは今より強い豪雪になるという予想が出ている。また気象庁研究所によれば、温暖化が進むと、北アルプス北部での降雪は今より降り始めの時期が遅れ、12月後半から2月前半に集中し、寒気の強い年は降雪量が多くなるという予想も出ているという。 以上は積雪に関する話題だが、もう1つ見逃せないのが、1月における大雨である。1月27日から29日には各地で記録的な豪雨となり、大分県佐伯氏では1月としては全国でも過去最多となる1時間117.5ミリの豪雨を記録した。このほか全国77箇所で1時間雨量が過去最多となった。 こうしてみると、暖冬傾向や雪不足を直ちに地球温暖化に結びつけるのは早計であるが、中長期的な温暖化によって、さまざまな気候変動が起こり、気象に関する従来の常識や平年値、最大最小値が通用しなくなっていることは間違いなさそうである。 本日朝のニュースで白馬村のスキー場が先進的な気候変動対策に取り組んでいるという話題が取り上げられていた。上記の各種予想からみて、白馬村の積雪量だけに限って言えば、温暖化が進んだほうが積雪量が増える可能性もあるが、気候変動によって豪雨災害が起こるリスクなどを考えると、「1人の100歩よりも100人の1歩」の取り組みが大切であることは間違い。 |