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岡大生協のレジ袋有料化掲示。↓の記事参照。 |
【小さな話題】#レジ袋有料化 の功罪 岡大生協(北福利施設)で4月6日より、レジ袋有料化を始めることになった。法律上の有料化義務づけは2020年7月からとなっているが、新学期に合わせて早めに実施するようである。 レジ袋有料化は、近隣のスーパーでも3月1日から始まっているが、スーパーがサイズにより3〜5円を設定しているのに対して、岡大生協のほうは「サイズにかかわらず、紙袋でも」1枚10円となっており、かなりの変化が想定される。 レジ袋の話題は2月28日のモーサテ「パックンの眼」でも取り上げられていた。番組によれば、ビニール袋の無料提供を禁止する動きは127か国にのぼっているという。ちなみに全世界でのプラスチック生産量は年々増えており、直近のデータでは年間3.81億トンになっている。 しかし、禁止を推進する動きが強まる中で、レジ袋を禁止するのは逆効果であるという意見も出ているという。 まずは、これまでのところ、レジ袋はゴミ袋として再利用されるケースが多く、禁止すると、より分厚いビニール袋の購入量が増えるのではないかという見方である。 次に、レジ袋製造の際に排出される二酸化炭素を代替品と比較すると、
ここからは私の意見・感想になるが、廃プラスチックによる海洋汚染が深刻であることは私も承知している。また、海外旅行先では何度か、大平原の一角に大量のビニール袋やペットボトルが放置されているのを目撃したことがあった(例えば、2006年当時のエジプトや、2007年当時のチベット)。 もっとも、これらの廃プラスチックによる環境汚染は、プラスチック製品がちゃんと回収・処理されていないことによるものであって、レジ袋があたかも海洋汚染の元凶であるように見なすのは論理が飛躍しすぎている。じっさい、日本では、レジ袋の大半はゴミ袋、衣料品や日用品の保管などで再利用されており、古くなった時には燃えるゴミとして回収されている。無料で受け取ったレジ袋をそのまま空地や川に投げ捨てる人はいない。上記のエジプトやチベットの場合は、ちゃんと回収・処理するシステムが無い場所に大量のプラスチック製品が出回ったことを問題視し改善をはかる必要がある。もともと、それらの地域では、人々は循環型の生活をしており、植物繊維や動物由来のゴミはすべて土に帰るようになっていた。何百年、何千年にもわたってそういう生活習慣を続けていた人々のところに、プラスチック製品が持ち込まれたことが環境汚染を引き起こしているのである。 なので、これまでプラスチック製であったものを紙やコットンに切り替えればよいというものではない。また、手間をかけてリサイクルを優先するあまり、大量の二酸化炭素を排出してしまったのでは本末転倒である。 似たような議論は、使い捨ての割り箸を使うか、塗り箸を繰り返し使うかといった問題にも関連している。割り箸よりも塗り箸のほうが環境に優しいように見えるが、実際は、塗り箸を洗う時の洗剤や、消毒・乾燥などの環境負荷を考えると、間伐材使用の割り箸とどちらがエコなのか、見方が変わってくるかもしれない。【←マイ箸がたぶん一番エコ】 元の話題に戻るが、廃棄物の回収・処理が確立している先進国で、レジ袋の使用が環境汚染につながると考えるのはあまりにも短絡的ではないかと私は思う。但し、改めて、これまでの利用状況を見直してみると、生ゴミを入れたり衣類を整理する時に必要とするレジ袋の量に比べると、これまで無料で受け取ってきたレジ袋のほうが遙かに多いことは間違い無い。なので、買い物のさいに可能な限り再利用をすれば、使用削減には繋がると思う。また、生ゴミについてはこれまでは日々、小分けにしてレジ袋に入れて回収日に専用ゴミ袋につめていたが、レジ袋ではなく生ゴミ専用の保管器に移しておいて、回収日の朝に、そのまま専用ゴミ袋に移せば、さらに使用削減になるかとは思う。これを機会に、本当に必要なものと、工夫すれば使わなくても済むものについて再検討をしてみたい。 |