じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 定年退職後、共済組合の任意継続組合員を続けてきたが、4月1日をもって2年間が経過して失効となるため、国民健康保険加入の手続のため近隣の区役所に行った。新型コロナウイルス感染のリスクがあるなか、約40分ほど待たされた。待合時間が長くなればなるほど感染の確率が高まることからみて、できれば、予約制の導入、あるいは回転寿司屋が取り入れているような駐車場・車内での待ち合わせ(順番が回ってきたらスマホ等で呼び出し)といった対策をとればリスクを減らせるのではないかと思われる。ま、岡山ではまだ感染者が少なく、しかも、県内での人から人への感染は確認されていないのでそれほど心配は要らないのかもしれないが、東京や京阪神地域ではどうしているのだろうか。

2020年3月28日(土)



【連載】チコちゃんに叱られる! 「春一番ってなに?」

 3月27日に放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。今回は
  1. 春一番ってなに?
  2. 魚の絵は、なんで左向きに描いちゃう?
  3. なんで三角形のサンドイッチが多いの?
 という3つの疑問が取り上げられた。本日はこのうちの1.について取り上げる。

 さて「春一番」であるが、私は、「立春から春分の日の間に観測される南風。一定の条件(風速、気温上昇)を満たした時に地元の気象台によって発表される。」であると思っていた。中学の頃に地学・天文・気象の部活動をしていたこともあり、これで正解やろ、文句あっか、と思ったが、番組ではこれと異なり、「死を招く怖い風」と説明された。
 ま、一般論として「○○ってなに?」という疑問に対しては、その用語の定義を説明する場合と、その用語の由来・語源で説明する場合がある。チコちゃんの番組では、「あっそうだったのか、納得」よりも、「えっ、そうだったの?」という意外性がウリになっているため、由来を優先した解説になっていたのかと思われる。

 なお、番組によれば1960年前後には、「南の強風」、「春を呼ぶアラシ」、「春の旋風」というように全国で表現がバラバラであり、それ以降に、気象庁が基準を定めた上で発表するようになったという。また、本来怖い風という意味の「春一番」が陽気なイメージとして定着したのは、キャンディーズの歌の影響が大きいという。

 上に述べたように、私が、地学・天文・気象の部活動をしていたのは1965〜1968年の頃であり、上記の説明によれば、まだ気象庁は公式には「春一番」を発表していなかったようである。

 ネットで検索したところ、こちら(2019年2月2日、饒村曜・気象予報士)に詳しい解説があった。リンク先では、
...マスコミに取り上げられたのは、昭和37年(1962年)の「春一番」からです。

 昭和37年2月11日の朝日新聞夕刊では「…地方の漁師達は春一番という…」、同日の毎日新聞夕刊では「…俗に春一番と呼び…」と、各紙で取り上げられていますので、このとき、気象庁天気相談所が新聞記者に説明をしていたのかもしれません。

 しかし、「春一番」が一躍有名になったのは、昭和51年(1976年)のヒット曲からです。

キャンディーズ

 昭和51年(1976年)3月にリリースされたアイドルグループ・キャンディーズの9枚目のシングル「春一番」は大ヒットしました。

 「雪がとけて川になって流れ、風が吹いて暖かさを運んできた」という歌のイメージは、当初の海難を引き起こす危険なイメージの「春一番」とは別の側面ですが、「春一番」という言葉を浸透させました。

 そして、気象庁には「春一番」の問い合わせが殺到するようになり、気象庁は春一番の定義を決め、昭和26年(1951年)まで遡って春一番が吹いた日を特定し、平年値を作り、「春一番の情報」を発表せざるをえなくなっています。

 というより、春一番という言葉が浸透したことを利用し、防災情報の充実をはかっています。

 ヒット曲が気象庁の業務を変えたのです。
と記されていた【改行等、一部改変】。番組では、キャンディーズの歌は春一番の定義を取り違えており、作詞者の穂口雄右さんに日本人を誤解させた責任があるように言っていたが、上記の引用によると、むしろ順序は逆であり、「春一番」の歌がヒットした後で、その浸透を防災情報に利用して公式に定義したというように考えることができそうである。

 なお、リンク先にも記されているように、春一番発表の目安は地方により異なっており、中国地方の春一番は広島地方気象台で発表される。今年の春一番は3月19日に発表されたが3月20日の楽天版に記したように、岡山ではこの日の日中は強い風は吹かなかった(深夜に最大瞬間風速22.0m)。

 余談だが、ちょうど、本日から明日にかけて南岸低気圧が通過するようである。私が中学生の頃は、この低気圧は「台湾坊主」と呼ばれていたように記憶しているが、最近はもっぱら「南岸低気圧」で統一されているようである。