じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 新型コロナウイルス軽症感染者の宿泊療養のための施設として、いくつかのホテルが借り上げられている。その中でもテレビでよく紹介されるのが「東横INN東京駅新大橋前」。このホテルにはこれまで少なくとも3回宿泊したことがあり、テレビの映像を見ただけですぐに、あっ、あのホテルかと分かった。こちらに私の投稿したクチコミ情報あり。なお、東横インではいくつかのホテルを休館し、近隣のホテルへ営業を集約しているとのこと。大規模ホテルでは空室が多いとメンテのコストがかかるが、東横インは比較的小規模の建物に分散化されており、都心では複数店舗共通の送迎バスもある。こうした小規模店舗分散配置方式は、宿泊者激減時の営業効率化に大いに役立ちそうだ。

2020年4月13日(月)



【連載】#チコちゃんに叱られる! 「なんで鼻に水が入ると痛いの?」「イタリア料理のトマト」

 4月3日に放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。この回は、
  1. なんで鼻に水が入ると痛いの?
  2. なんでイタリア料理にトマトが欠かせないの?
  3. 「世界米食い競争選手権」
  4. なんでガラスは割れる?
という4つの疑問が取り上げられた。いずれも私の知らなかったことばかりで興味深い内容であった。本日はこのうちの1.と2.について取り上げる。

 まず1.であるが、私は、温度差が痛みの原因であり、体温と同じくらいのぬるま湯であれば痛みは少ないのではないかと思っていた。しかし正解は、
塩分の薄い水が入ると半透膜の働きで、細胞の中の体液(生理食塩水同等の0.9%)を同じ濃度にしようとして水が移動するため細胞が膨らみ、その時細胞膜の感覚センサーが痛みの信号をTRPA1(Transient Receptor Potential、トリップエイワン)の働きで脳に伝える。
という内容であり、温度差ではなくて浸透圧の働きによるものであると説明された。ちなみにこのTRPA1のメカニズムを発見したのは、解説者の藤田先生を含むグループであり、日本生理学会から2018年度の優秀論文の表彰を受けたとこのことである。

 このことですぐに浮かぶ疑問は、塩分濃度が0.9%よりもっと濃い場合の反応である。番組によれば、この時の痛みの原因については、TRPA1が反応してしまう可能性があるもののまだ解明されていないとのことであった。

 番組では、上記に関連して鼻うがいが紹介されていた。私自身は、自分で鼻うがいをしたことはないが、風邪で耳鼻科に行った時には洗浄を受けた記憶がある。上記の理屈から言えば、市販の生理食塩水を買うか、無菌の蒸留水に食塩を溶かせば簡単に鼻うがい液を作ることができそうである。なお、こちらの情報によれば、
4. 食塩水による鼻うがいは新型コロナウイルス感染予防に役立ちますか?

いいえ、そのような証拠はこれまで得られていません。

食塩水による鼻うがいを定期的にすると普通の風邪から早く治る、と一部で報告されていますが、新型コロナウイルス感染の予防に役立つというエビデンスはありません。
とされており、現時点では、鼻うがいも、口からのうがい薬も、新型コロナウイルスの感染予防に有効という証拠は無さそうである(←といっても、それを励行することで悪影響は無さそうなので、ダメ元で励行することは問題なさそうに見える。




 次に2.のイタリア料理におけるトマトの由来であるが、番組では、「庭師が腹ペコだったから」と説明された。トマトはもともと南米・アンデス山脈からメキシコなど中央アメリカに広まっており、1523年にメキシコを征服したスペイン艦隊によってヨーロッパに持ち込まれた。そこからイタリアのナポリにも伝わったが、当時、ヨーロッパでは、毒性が強いことで恐れられていたマンドレイクに似ていたことから、もっぱら富裕層の観賞用として栽培された。空腹に耐えきれなかった庭師によって初めて口にされ、その後、品種改良されてイタリア料理に利用されるようになったという。

 以上の話はもっともらしい内容であったが、スペイン艦隊によって持ち込まれたというだけなら、スペインやフランス、ポルトガルなどでも定着するはずで、なぜイタリア料理に結びついたのかはよく分からなかった。

 もう1つ、番組では、イタリアではトマトはもっぱら煮込んで食べられ生食はしない、生食をするのは日本だけではないかというような声が紹介されていたが、最近では、たいがいの国で生食されており、ホテルのビュッフェスタイルで提供されているように思われる。ざっと過去の写真記録をチェックしたところ、チベットのシガツェ、モンゴルのウランバートルのホテルなどで、朝食時にミニトマトが提供されていることが確認された。

次回に続く。