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【小さな話題】QRコードはなぜスゴいか?(その3) 昨日に続いて、 NHK サイエンスZERO 「驚異の自動認識技術!QRコード開発秘話」 の感想と考察。 今回は、私の素朴な疑問のうち、3.の ●コピー機を使えば簡単に偽造できるのではないか? について考えてみることにしたい。但し、この話題は番組では取り上げられておらず、私独自の考察ということになる。 まず、QRコードは白黒の模様であるからして、簡単にコピーできることは素人目に見ても明白と言える。なので、QRコードの読み取りだけで判別する装置では、ホンモノとニセモノを区別することはできない。であるとすると、そのままでは、入場券、乗車券、商品券などには、使えないはずである。 このことで思い浮かぶのが、飛行機の搭乗券に相当するQRコードである(「搭乗用2次元バーコード」などと呼ばれているが、少なくともJALの場合はQRコードそのものであるようだ)。これは、パソコンで取得しプリンターで印刷することができるし、簡単にコピーできる。これでなぜ、不正使用が起こらないのかと思ってしまうが、飛行機というのは搭乗前に便名、座席、氏名、年齢などの情報が確定しているため、仮に悪者がQRコードを偽造しても、登場時に、正規に搭乗手続をした人との「オーバーブッキング」が発生するはずである。その確認作業の段階で、偽造であればすぐに発覚するので、不正搭乗には至らないはずである。但し、正規に手続した人が事故等で突然搭乗を中止、かつ、キャンセル手続をしていなかった場合は、同じ便、同じ席のQRコードを偽造すれば、搭乗することはできるはずだ。しかしその確率は殆どゼロに近い。 QRコードは馬券でも活用されているという。素朴に考えると、もし当たり馬券の払い戻しをQRコードだけで処理してしまうなら、簡単にコピーできるはずである。もっとも私は、人生60+α年で一度も競馬を経験したことがないし、実物の馬券を見たこともないので、何とも言えない。ネットで検索するといろいろな情報が出てくるが、これまた、競馬の仕組を知らない私にはよく分からない。 もう1つ、QRコードは誰でも読み取れる仕様になっているため、もし個人情報が含まれていれば簡単に流出してしまうように思われる。もちろん、文字情報を暗号化して別の文字列・数字列に置き換えれば防げるだろうが、その程度の暗号化であれば簡単に解読可能。少なくとも、国家機密や企業秘密にかかわるような情報をQRコードで伝達することはできないように思われる。 次回に続く。 |