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私が子どもの頃に飼われていた犬。写真上は、「ジョン」。写真下は「パール」。写真は1枚も無いが、もっと幼かった頃に「ポチ」という名前の子犬を飼い始めたがすぐに死んでしまった。↓の記事参照。 |
【連載】#チコちゃんに叱られる! なんで犬の名前といえば「ポチ」なの? 6月19日に放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。この回は、
まず1.の「ポチ」の由来だが、番組では「犬の毛色の「ブチ」をイギリス人が英語の「パッチーズ」と聞き間違え、さらに日本人が「ポチ」と聞き間違えた」と説明された。もっともウィキペディアでは、 日本で、犬(飼い犬)に付ける名前として一般的とされていたもの。語源については、フランス語圏の宣教師が犬を「petit 」(プチ=「小さい」の意味)と呼んだのを日本人が犬名と誤解したとする説、後述の擬態語であるポチ柄の犬(ぽちぽちとブチ模様がある犬)を示す説、日本語の「これっぽっち」「ぽっちり」、英語の「pooch」(プーチ = 口語で「犬」を意味する)や「spotty」(スポッティ = 斑の犬)、チェコ語の「Pojd'」(ポチュ = 来い)に由来するという説などがあるというように諸説が紹介されていた。 他の言葉・道具・習慣でもそうだが、どれが一番古いかという元祖探しよりも、それが広まった原因を探ることのほうが重要な場合が多い。 今回の「ポチ」に関しては、
以上が私が聞き取った番組の内容。ここからは私自身が派生させたいくつかの疑問。 まず、幼年唱歌『はなさかぢぢい』の「ポチ」だが、昔話の『はなさかじじい』では犬には名前がなく、「ポチ」と名づけたのは作詞者の石原和三郎であったようだ。いっぽう、童話の集大成に尽力した楠山正雄の花咲かじじいでは、 むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがありました。というように、犬の名前は「シロ」となっている。この不一致がどうして生じたのか謎である。 第2に、「ポチ」に次ぐ「ジョン」について。上掲の写真にもあるように、私が子どもの頃は、「ジョン」と名づけられた犬が多かったように思う。私の生家では、上掲のほか、私が東京を離れた後にも「ジョン(2世)」、「ジョン(3世、但しメス犬)」を飼っていた。この「ジョン」のほうはどういう由来で、なぜ広まったのだろうか? ネットで検索した限りでは、「ジョン万次郎起源説」や「ジョンという名前の日本人がいないので、大声で犬の名前を呼んでも紛らわしくならない(例えば、犬に「五助」という名前をつけると、「おい、五助」と呼んだ時に使用人の「五助」がやってくる恐れがある)というような理由が紹介されていた。 第3に、犬の名前「ポチ」と同じくらいによく使われるのが、猫の名前「タマ」である。この由来については、こちらに、
なお、「シロ」、「クロ」、「チビ」などのように犬猫共通で使われる名前があるいっぽう、「ポチ」や「ジョン」という猫や「タマ」という犬はあまり聞かない。日本語特有の語感や擬態語との関連で、ある程度は、犬の名前と猫の名前が使い分けられてきたように思われるが、いまはやりの「ココ」、「モモ」、「マロン」などは、名前を聞いただけでは、犬なのか猫なのかさっぱり分からない。 第4に、日本では、犬の名前は、かつては体の特徴(色、大きさ、模様など)からつけられることが多かったようだが、外国ではどうなっているのだろう。こちらには、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリアの犬・猫の名前Top10が紹介されていた。全体的に、体の特徴由来の名前は少なく、犬・猫共通の名前(「マックス」、「モリィ」、「サム」など)が多いように見えるが詳しいことは分からない。韓国の犬の名前についてはこちらでは、1位は「ココ」であると紹介されていた。またこちらによれば、中国では、毛の色や性格で名前を決めることが多いものの、最近では外来語風も増えているという。もしかすると、2020年の時点では、日本、中国、韓国共通で「ココ」という名前が最多になっている可能性がある。 次回に続く。 |