じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 6月21日夏至の日は、夕刻に部分日食があり、岡山では薄雲越しにかろうじて輪郭を眺めることができた。写真上は、日食観察に使った太陽観察用の双眼鏡。緑色の画像は、双眼鏡の覗き口にデジカメを押し当てて撮った写真(方向はバラバラ)。皮肉なことに、部分日食が終わった頃に、西側から晴れ間が広がってきた【写真下】。

 ちなみに、今回の部分日食はサロス137であり、前回はサロス周期6585.3212日前の2002年6月10日の朝に起こっていた。2002年6月11日の日記記録あり。

2020年6月21日(日)



【連載】#チコちゃんに叱られる! 「カメの甲羅ってなに?」

 6月19日に放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。今回は、
  1. なんで犬の名前といえば「ポチ」なの?
  2. カメの甲羅ってなに?
  3. 「略さずに言ってみよー」のコーナー
    • 「ソフトクリーム」とは?
    • 「バス」とは?
  4. なんで眠くなると目をこするの?
という疑問のうち、2.の「カメの甲羅」ついて考察する。

 番組では、亀の甲羅の起源は、肋骨であると説明された。詳しい解説は2009年7月10日発信の理化学研究所プレスリリースにある。亀の甲羅については、肋骨説と皮膚が硬くなったものという説があったが、肋骨説を検証したのは理化学研究所のグループであったという。

 リンク先に記されているように、この研究は、
...とりわけ今回の研究では、遺伝子や細胞レベルでの発生学の知見と、解剖学の情報を密に組み合わせ、さらに古生物学的な情報の中にその証拠の一端を見いだそうという方法が成功したのだと思います。私たち人間の体の解剖学的なパターンも、発生プログラムの結果だという見方が必要です。カメの研究は、ヒトの体とかなり同じデザインを持ちながらも、発生プログラムにおける数カ所の変化で、ユニークな形態を作りうる可能性を垣間見せてくれました。「ゲノムから形へ」という、発生という現象の性質を理解するケーススタディとして、研究グループのカメ研究が1つのヒントになるのではないかと考えます。
というように意義づけられる。

 ところで、亀の肋骨がどういうプロセスで甲羅に変化したのかという問題と、甲羅を持つことが適応上どのような利点をもたらしたのかという問題は別である。後者については、一般には身を守るためと考えがちであるが、適応の第一歩は、水中でバランスをとりながらスムーズ泳ぎやすいことにあったようである【サーフボードと同じ】。

 なお、ゲストの石川さゆりさんから、リクガメは泳がないのになぜ甲羅をつけているのかという疑問が出されたが、これについては「昔は泳いでいて陸に上がったカメだから」と説明された。なお、以前、科学番組で視たことがあるが、ガラパゴスゾウガメでは、背甲の形状は鞍型、ドーム型、中間型の3種類の進化があり、ガラパゴスのそれぞれの島の特徴、餌の種類、標高などの環境条件に適応しているとのことであった。

 番組でもちょっとだけ言及されたが、「なぜカメだけがあんな甲羅を作ったのか」についてはまだまだ解明されていないという。素人なりに考えてみるに、甲羅を形成するような変異はどの動物でも起こりうるし、また甲羅を形成することは水中動物でも陸上動物でも一定のメリットがあったとは思う。しかし、陸上では、甲羅が頑丈であればあるほど重くなり、ひとたびひっくり返されると起き上がるのは一苦労である。けっきょく、素早く動き回れる動物に比べると、甲羅を持つ動物が生存できる環境は限られており、カメだけがかろうじて生き残ったということではないかと思われる。

 次回に続く。