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Windows10になってから定期的に大規模アップデートが行われているが、私自身が使用している限りにおいては、これまで、アップデートによって何かが便利になったということは1つもない。逆に、（アップデートのせいかどうかは言い切れないが）内蔵のDVDドライブが不具合を起こしたり、SNSでAtokによる日本語入力ができなくなったり、デフォルトの日本語入力がIMEに切り替わったりするなど、更新のたびに不都合が発生し、高齢者ユーザーを混乱させているように思う。 このほか、MicrosoftEdgeへの切り替えを促す画面が出ることがあり、勧められると逆に反発する傾向のある私は、意地でもEdgeは使わないようにしている。 写真は最近、アップデート＆再起動後に現れた画面。私の場合、スマホもMicrosoft365もOneDriveも全く使っていないし、デバイスを共有していないのでロックや解除の必要もない。アップデートはあくまでセキュリティ目的で行い、それ以外の拡張機能や商品宣伝はユーザーがオプションで選択できるようにしてほしいものだ。 |
【連載】#チコちゃんに叱られる！「高齢者はアイドルの顔の区別がつかなくなる？」 7月31日に放送された、NHK チコちゃんに叱られる！の感想と考察。この回は、
まず1.の疑問だが、番組では「顔が接点の少ない外国人のように見えるから」、要するに「年をとると若い人の顔を見る機会が減ってしまうので区別しづらくなる（紡錘状回で起こる人種効果のため）」と説明された。 しかしこの説明にはかなり疑問が残る。 まず第1に、そもそも、顔を区別する際の手かがりとなる、髪の形や色、目の大きさ、鼻の形、口の大きさ、顔の輪郭といった特徴は、若者の顔でも高齢者の顔でも違いがないはずだ。番組では、若者の顔の写真（同一人物の顔が2枚ずつ6組、「イケメン神経衰弱」）を並べて、同一人物の組を作るという実験が行われた。20代女性は1分22秒、20代男性は1分19秒、いっぽう高齢者の代表（大竹まこと、71歳）は6分18秒という結果になった。しかし、もし上記の「イケメン＝外国人説」が正しいなら、高齢者の写真をつかった神経衰弱実験を行う必要がある。この説明が正しいならば、大竹さんは20代若者より素早く、高齢者の顔を区別できたはずである。【実際は、高齢者の顔のマッチングでも、大竹さんのほうが時間がかかったと推測される】 第2に、「年をとると若い人の顔を見る機会が減ってしまう」というのはかなり画一的な見方である。大学教員は定年退職になるまで若い学生と接する機会がある。高齢者施設で働く若者は高齢者の顔を見る機会が多い。高齢者でも施設に入居したりバラエティー番組をよく視る人は若者の顔を見る機会が多い。若者でも人付き合いが嫌いだったり、芸能界に興味の無いひとは、若者の顔を見る機会は少ない。 もちろん、直近でどういう弁別学習が行われているか、ということが、その人が区別しやすい対象と、区別がつかない対象を特徴づけることは間違い無い。植物に関心がある人は花や葉っぱの区別が得意であるし、タモリさんのように地質に興味がある人は、露頭の岩石を簡単に区別できる。海外旅行の添乗員さんなどは、半日もたたないうちにツアー参加者全員の顔と名前を覚えている。人の顔や名前を全く覚えられないこの私でも、最近は、植物園などに咲く花や葉っぱ、蝶や蛾の区別ができるようになってきた。 番組で言及されていた「人種効果」も全く無いとは言えないだろうが、そういう効果は普通は幼児期に形成され、（海外移住でもしない限りは）終生変わらない。似たような現象は、音韻の区別にも当てはまる。よくある例は「エルとアールの区別」である。日本人の子どもは幼いときから「lalilulelo」と「rarirurero」を同じカテゴリーの音として聞かされているため、大人になってからもなかなか区別できない。【参考記事がこちらにあり】 ということで、「なんで年をとるとアイドルの顔の区別がつかなくなる?」というのは、問題の設定自体が間違っているように思われる。加齢により弁別機能が衰えていくことは間違い無いが、おそらく、若い人の顔ばかりでなく、高齢者の顔も区別しづらくなっているはずで、殊更に「若い人の顔を見る機会が減ってしまう」を主要な原因として挙げるのは証拠不足と言わざるを得ない。 次回に続く。 |