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【連載】#チコちゃんに叱られる!「指揮者が手を振る理由」「なぜ怪談は夏?」 昨日に続いて、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。 本日は、
まず4.であるが、番組では「一瞬先の未来を演じているから」と説明された。 解説者によれば、
番組では、ベートーベンの「運命」の演奏時間が、指揮者によって41分34秒(指揮者:朝比奈隆)になったり、30分29秒(指揮者:ジャナンドレア・ノセダ)になったりというように異なる事例が示された。 なお指揮者の手の動きと、楽器の演奏のタイミングは若干のズレがある。これは「先振り」と呼ばれ、このことから、番組では「一瞬先の未来を演じているから」が正解とされた。 ここからは私のコメントになるが、私も、子どもの頃から、指揮者がいなくても演奏はできるのではないかという素朴な疑問を持っていた。演奏者の視線は殆ど楽譜のほうを向いているし、また、指揮者の合図だけで演奏のタイミングがピッタリ一致することはあり得ない。日頃の練習の中でスピードを合わせているのではないかと思っていた。 なので、少なくとも演奏会場での指揮者の役割は、音楽のイメージを身振り手振りで表現し、観客に伝えるということにあるのではないかと思う。「自分の解釈を演奏者に伝えるために手を振る」というよりは「自分の解釈を観客に伝えるために手を振る」というのは真相ではないだろうか。 指揮者の解釈通りに演奏するというのは、その指揮者が楽団に所属していて長期間にわたり練習を積んでいれば実現できるかもしれない。しかし、アマチュアの楽団が、演奏会の当日だけ有名指揮者を呼んでくるような場合は、演奏のスピードなどを事前の練習で調整することは困難であろう。ま、今の時代であれば、指揮者とオンラインで繋いで練習の指示を受けることはできるとは思うが。 最後の「なんで夏に怖い話をするの?」については、番組では「ベテランが夏休みだったから」と説明された。番組によれば、夏に怖い話をするのは日本だけであるようだ。 日本では、夏の行事として「盆狂言」という行事があった。お盆の時期には、ご先祖様の霊だけでなく、無縁仏や怨霊もやってくると信じられており、その供養として行われた。 但し、直接の由来は、夏の芝居小屋が猛暑で客の入りが悪く、それゆえベテランの人気役者は夏休みをとることにあった。そういう状況のもとで若手役者を養うために、上記の盆狂言を歌舞伎にアレンジして怪談芝居が生まれた。しかし、若手役者は演技力が足りなかったので、大がかりな仕掛けでそれを補ったという。 以上の説明はほぼ納得できたが、遊園地などで夏休み期間に設営されていたお化け屋敷とか、町内会の行事として行われる肝試しなどが、なぜ冬や春に行われないのかについては、もう少し説明が必要であるように思われた。もっとも、最近ではレジャーの多様化により、お化け屋敷の数も少なくなった。町内会行事でも、暗闇の中での肝試しなどは、安全対策の面から行われなくなってきたように思う。 |