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岡大構内で、小型のナミアゲハを目撃した【写真上】。正確なサイズは測定できないが、同じ距離で撮影した写真下のナミアゲハよりかなり小さい。 ネットで検索したところこちらに、全く同じような写真が掲載されていた。 こちらの記事によると、黒い模様の面積が大きいので夏型と思われる。なお、こちらのレポートでは、幼虫の時に与えた餌の量と翅の大きさの関係が検討されていた【当時、小学4年生の研究】。 ということで、小型化の原因は今のところ謎である。 |
【連載】又吉直樹のヘウレーカ!「#64生き残れるのはどんなやつ?」 8月19日に再放送された、 又吉直樹のヘウレーカ!「#64生き残れるのはどんなやつ?」 【初回放送2019年12月25日】 の感想と考察。 番組ではまず、全国の本屋さんが少なくなっているという話題が取り上げられた。全国の本屋さんは、2002年には約2万店であったが、2017年には約1万店に半減しているという。本屋さんの中には生き残りをかけて、本以外の商品(例えば昆虫の見本や動物の剥製)を揃えたり、アルコール類を置いたり、講習会・イベント用の部屋を併設したり、中には本棚の間にベッドを設置したカプセルホテルなどもあるという。 もっとも番組自体は、本屋さんではなく、昆虫の生き残り戦略が本題であった。要するに、多様化によりリスク分散し、生き残りをかけるということであった。 まず取り上げられたのは、モンシロチョウの卵の産み分けの話。モンシロチョウの産卵場所は主として栄養価の高いキャベツ畑であるが、2〜3割は畑の周りの雑草に産卵するという。もしキャベツ畑に100%産卵してしまうと、キャベツの収穫や農薬使用により全滅に陥るが、別の場所にも産み分けることで結果として生き残る。もともとモンシロチョウは西南アジアの河原に住んでいた蝶であり、川が氾濫すると絶滅する恐れがあった。しかし一部のモンシロチョウは氾濫の起こらない山肌に産み分けしていたため結果として生き残った。この産み分けの習性が、キャベツ畑とその周辺の雑草にも伝わったようである。 番組の後半は吉村仁先生のご専門のセミの話題であった。周期ゼミ(素数ゼミ、Magicicada)という言葉は聞いたことがあったが、実際に見たことは無かった。日本のセミは、1匹1匹が木に止まり足音に敏感ですぐに逃げるが、羽化したばかりの周期ゼミは同じ木の根元に群がり、あまり逃げようとはしないようだ。1本の木には数百から数千が発生し、シカゴの街中では窓を開けるとその鳴き声で電話の声が聞こえなくなるほどだという。また地中に出てきた幼虫は食用にもされているという。 興味深いのは、セミたちの出現する周期が13年(北アメリカの南部)、もしくは17年(北アメリカの北部)となっていることだ【但し、ウィキペディアによれば、周期ゼミ以外のセミも100種以上生息している】。 番組によれば、周期ゼミは氷河期に個体数が少なくなったため、きょうだい交尾して子孫を殖やすようになった。それゆえ同じ年に地上に現れる必要があり、周期性が確立していく。日本のセミは約6〜8年であるが、周期ゼミは氷河期の影響で成長が遅く、約12〜18年で地上に出るようになった。仮に周期が12年、15年、17年という3種のセミがいたとすると、このうちの12年と15年のセミは最小公倍数の60年周期で同じ年に出現し交雑が起こってしまう。交雑すると周期がずれてしまい、結果的に交尾の機会が減り絶滅していく。いっぽう、周期が17年のセミは、12年との最小公倍数は204年、15年との最小公倍数は255年であるゆえ、他の周期のセミとの交雑が起こりにくいというような内容であった。 ここからは私の感想になるが、前半の「リスク分散による生き残り」という点はその通りであろうと思う。但し、そのことが素数ゼミの話にどう繋がるのかはよく分からなかった。というのは、最後の氷河期から260万年も経った現在では、セミにとってのリスクは、氷河ではなく、異常気象の影響(例えば長雨、洪水、干ばつ、高温など)にあると思われる。となれば、17年周期限定で大量発生するよりは、周期を分散させて、毎年、一定数だけ出現したほうが生き残りの確率が高まるのではないだろうか。 推測するに、17年周期(あるいは13年周期)というのは、必ずしも生き残り戦略ではない。たまたま素数周期で大量発生したことで、その年の交尾・産卵の数が増え、17年後の大量発生に繋がった、さらにそれが繰り返された、ということではないだろうか。例えば、日本の場合も、1947年から1949年にベビーブームが起こり、その時に産まれた子どもが結婚適齢期を迎えた後の1970年から1975年には第二次のベビーブームが起こった。但し、セミと異なり、人間では、結婚年齢や、夫婦1組あたりの出産数が多様であるゆえ、ブームのピークはしだいに平準化していくため、周期化する可能性は少ない。 番組ではこのほか、吉村仁先生の生い立ちや、昆虫への興味、熱い思いが語られていて、大変興味深い内容であった。 |