じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



10月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

 我が家では昨年来、カスピ海ヨーグルトを自前で作っていた。ボウルにお湯を溜めて牛乳パックを温めるというやり方だが、冬場になるとすぐに冷えてしまってお湯の交換に手間がかかること、カスピ海ヨーグルト以外のヨーグルトは温度不足で造れないなどの問題があった。
 そこで、ヨーグルトメーカーを購入。さっそく42℃設定で再生産に挑戦してみた。今後、いろいろなタイプのヨーグルトで試してみたいと思っている。

2020年10月9日(金)



【小さな話題】ミステリアス古墳スペシャル

 10月4日の夕刻、NHK総合で、

ミステリアス古墳スペシャル

という番組を放送していた。リンク先に記されているように、9月22日初回放送の再放送であったようだ。番組はすでに始まっていたが、あとでNHK+で最初のところから視ることができた。なお、ネットで検索したところ、3月24日にも、

あなたも絶対行きたくなる!ミステリアス古墳スペシャル

という番組が放送されていたようだが、別の内容であったようだ。

 今回の番組で取り上げられた古墳は、
  1. 五色塚古墳:オーシャンビューの絶景! フォトジェニック
  2. 森将軍塚古墳:ウォーキングにおすすめ! 天空のピラミッド
  3. 西谷墳墓群:謎の形はオオクニヌシの墓!?
  4. 埼玉古墳群:ロマンがいっぱい!古墳のワンダーランド
  5. 藤ノ木古墳:奇跡のタイムカプセル
の5ヶ所であった。古墳というと、「○○陵」と呼ばれている古墳は柵で囲まれていて立入禁止になっているし、そうでない古墳は草木が茂っていて原型をとどめていないという印象があるが【そう言えば、私の住んでいるところのすぐ近くにも神宮寺山古墳があるが、前方部は墓地、後円部は神社になっていて原型をとどめていない】、今回紹介された5ヶ所の古墳は、どうやら頂上まで登れるようである。特に五色塚古墳は「オーシャンビューの絶景! フォトジェニック」と形容されただけあって、眺めも良さそうだ。もっとも、純粋に景観を楽しむのであればモエレ沼公園あたりのほうが感動的かもしれない。

 番組で新たに知ったこととしては、
  1. 1000人が365日休み無しに作業をしたとすると、大山古墳は完成までに何年かかったか→大手ゼネコン会社の試算によると19年。
  2. 全国の古墳の数はおよそ15万。
  3. 前方後円墳はヤマト王権の会員証のような役割。前方後円墳は、最北端は岩手県の角塚古墳、最南端は鹿児島県の塚崎51号墳で、このことからヤマト王権の当時の影響力の広さがうかがい知れる。【岡山にある造山古墳のように、ヤマト王権に拮抗する首長の墓が前方後円墳になっている場合もあるようだが】
  4. 埼玉(さきたま)古墳群の中で丸墓山古墳だけが丸い形をしているのは(→同時期に造られた二子山古墳は前方後円墳)、ヤマト王権に滅ぼされたため前方後円墳より格下の円墳を造ることしか許されなかったため。
  5. 埼玉古墳群は前方部が富士山の方向を向くように造られた可能性がある。
  6. 藤ノ木古墳では1つの棺に2人の男性が葬られている。これは王位を狙おうとして殺された穴穂部皇子(あなほべのみこ)と、同じ場所で一緒に殺された宅部皇子(やかべのみこ)が一緒に葬られているため。
などがあった。

 ところで、この時代の歴史用語は、私が中学生だった頃の教科書の記述とは大きく変わっている【2019年12月27日の日記参照】。番組でも、
  • 仁徳天皇陵→大山古墳
  • 天皇→ヤマトの大王
  • 大和朝廷→ヤマト王権
というように、最新の用語に置き換えられていたが、私のような世代には、「えっ? ヤマトの大王って誰?」と思ってしまう。

 なお、弥生時代の円形墳丘墓がなぜ前方後円墳の形になったのかという疑問については、かつて松木先生が岡大におられた時に直接尋ねたこともあったが、はっきりした理由は分かっていないらしい。また、なぜ「前方後円墳」であって「前円後方墳」と呼ばないのかについても松木先生にお尋ねしたことがあったが、どういうお答えをいただいたのか記憶に残っていない。ウィキペディアでは「慣習と便宜によって前方後円墳、前方部、後円部といった用語はそのまま使われている。」と記述されているようだ。

 今回の番組で改めて感じたが、古墳の研究というのは、出土品の記録蓄積だけでは物足りず、「この時代にはこんなことが行われていたのではないか?」といった卓越した想像力も威力を発揮するようである。といってあまりにも想像力が先行してしまうと、宇宙人が造ったとか、一夜にして築いた、といったトンデモの世界に陥ってしまう。
 いずれにせよ、古墳時代はまだまだ謎に包まれている。