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11月5日朝の岡山は最低気温が4.1℃まで下がりこの秋いちばんの寒さとなった。また県北の千屋では氷点下1.9℃まで下がっている。写真は明け方の空に輝く金星。 |
【小さな話題】 小氷期は地球温暖化の救世主となるか? 11月3日の夕食時、NHK-BSプレミアムで、 ●驚き!地球!グレートネイチャー「地球事変 革命を生んだ小氷期」 という話題を取り上げていた。ネットで検索したところ、2018年3月21日の再放送、もしくは再編集版であったようだ。 番組によれば、13世紀から19世紀、地球は低温と異常気象に襲われた。この窮状がフランス革命の原動力になった。主要な原因は、太陽活動の衰弱と、火山活動活発化の複合によるものと説明されていた。 ウィキペディアの当該項目によれば、小氷期の中頃の1645年から1715年にかけては太陽黒点が示す太陽活動は極端に低下し、太陽黒点が全く観察されない年も複数年あった。火山活動については、1815年に起きたインドネシアのタンボラ火山の噴火が挙げられていた(番組ではアイスランドの火山が取り上げられていた)。 この小氷期の影響は地球全体に及んでいるが、番組でも取り上げられているように、特にヨーロッパと北アメリカでは重大であったようだ。日本でも東日本を中心にたびたび飢饉が発生したというが、13世紀から19世紀という長い目で見れば鎌倉時代から江戸時代までのすべての期間が小氷期ということになり、むしろその時代の気候としては小氷期が常態であったように思われる。今回の番組で取り上げられたヨーロッパの極寒であるが、単に、太陽熱が低下したというだけでは説明できないようにも思う。もともとヨーロッパは高緯度にあるが、海流の影響で同じ緯度の北東アジアに比べれば遙かに気温が温暖と言える。おそらく小氷期には、暖流の恩恵を受けにくかったのではないだろうか。 さて、気になるのは、この小氷期の再来である。ウィキペディアにも記されているように、英国ノーザンブリア大学のジャルコヴァ教授が2015年に発表した研究では、2030年代には太陽活動が60パーセント低下し地球の温度も急激に低下、370年間にわたって極寒の時代が続くという記事が科学雑誌に載った【こちらにより詳しい紹介あり】。 もし本当に2030年代に小氷期が再来するのであれば、年々深刻化している地球温暖化は一気に逆方向に進むことになる。であるならむしろ、温室効果ガスをふんだんに使うほうが小氷期の影響を抑えることに貢献する。 そう言えば、11月4日、アメリカは、トランプ大統領の方針に従って地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から正式に離脱したという。このWeb日記執筆時点では、次期大統領はまだ決まっていないが、万が一、トランプ再選ということになれば、今後の地球規模で有効な対策を取ることは殆ど不可能になりそうだ。そうなると、唯一の救世主は小氷期再来ということになるが、果たしてどうなることやら。 |