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11月7日の日記で用水路に映るウキツリボク(チロリアンランプ、アブチロン)の写真を掲載したが、その後、ウキツリボクの花の一部が落下し、水面に浮かぶ花びらと水面に映っている花の区別がつきにくくなり、印象派絵画風の作品ができあがった。なお、写真の画像は、上下を反転させている。 |
【連載】#チコちゃんに叱られる!「落葉のしくみ」「ホットケーキとパンケーキの違い」 昨日に続いて、11月6日に初回放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。 本日は、
まず、2.については、「木は、非情なリストラを繰り返すひどい会社みたいなものだから」と説明された。番組によれば落葉樹はわざと葉を落としている。夏の間は葉っぱの光合成で樹木は十分な栄養素を取り込んでいるが、秋になると日照時間が減り葉が光合成で作る栄養も減少していく。さらに、寒くなると樹木の中の導管が凍り水が流れにくくなる現象(エンボリズム)により樹木全体の生育が脅かされる恐れがある。そこで寒くなる前に葉っぱを落として「黒字リストラ」を断行していると説明された。なお、葉が落ちる前に変色するのは、葉っぱの栄養分が樹木によって回収された結果であるとのことであった。 以上の説明はほぼ納得できるものであったが、春落葉で知られるクスノキが八重桜が咲く頃に大量の葉を落とす理由は上記のしくみでは説明できない。またスギやヒノキなどの針葉樹も適宜、古い葉を落としている。ま、多肉植物であれ、今回話題の落葉樹であれ、それぞれの葉っぱには寿命があり、いずれは枝から落ちる宿命であることは間違い無い。なので、まずは「葉っぱには寿命がある」ということを前提にした上で、落葉樹の場合には、秋になると葉っぱの栄養分を回収して枝から切り離すためのにどういう「特別なメカニズム」が働いているのかを明らかにする必要があるだろう。もちろん、「単に落葉樹の葉っぱの寿命は半年程度である」というだけで説明できるのであれば、「特別なメカニズム」という新たな理論を付加する必要はなくなる。 最後の「ホットケーキとパンケーキって、なにが違うの?」については、諸説あり「人それぞれ」であると説明された。 番組によれば、「パンケーキ」の「パン」はフライパンで焼いたケーキのことであり、クレープ、どら焼き、お好み焼きなどもパンケーキの一種となる。パンケーキという言葉が誕生したのは15世紀頃だと言われており、また日本では明治時代、文部省翻訳・出版の『百科全書』(1884年)に「薄餅(パンケーキ)」として紹介されていた。いっぽう「ホットケーキ」という名前は、関東大震災のあとの1923年、東京・日本橋の百貨店で、「パンケーキ」の代わりに「ハットケーキ」と呼ばれるメニューが登場したことに由来している。パンケーキではパンと間違えられやすいことと、焼きたてはホカホカで暖かいという意味で「ハットhot」と呼ばれた。この「ハットケーキ」が、日本人に発音しやすい「ホットケーキ」に転じた。なので同じモノを示すことから、区別は「人それぞれ」となる。 番組によれば、「ホットケーキ」という呼称が広まったのは1957年に発売された「ホットケーキの素」ブームによる。1972年頃にはホットケーキが小学生の食べたいオヤツのナンバー1になった。 いっぽう、2010年に東京・原宿にハワイ発のパンケーキ専門店ができ、メディアで取り上げられることでパンケーキ店が次々と出現した。このことから、「ホットケーキ=レトロ」、「パンケーキ=新しい」というイメージが作られ、使い分けて呼ばれるようになったという。 ちなみに、私自身は「ホットケーキ」世代であって、「パンケーキ」と言われても、スポンジケーキと同じ意味か、というぐらいにしか思っていなかった。しかし今回の番組によれば、「パンケーキ」の「パン」はフライパンという意味であるというから、オーブンで作るスポンジケーキとは別物であったようだ。 東京で生まれ育った私は、幼い頃、渋谷の東横デパートの食堂でホットケーキを食べるのを楽しみにしていた。上記の通り、1957年頃からはホットケーキ・ミックスが発売され自宅でもホットケーキが作れるようになったが、家で作られたものはデパートのものほどには美味しくなかった。たぶん、ベーキングパウダーの苦味が強すぎたためではないかと思われる。というか、子どもの頃にデパートで食べたホットケーキというのは、その思い出の文脈全体が「美味しい」という記憶と結びついているのであって、大人になってから同じモノを食べても、もはや、あの美味しさは戻ってこないのかもしれない。 |