じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 ウォーキングコース沿いのイチジクの黄葉。夕日に照らされて黄金色に輝いていた。

2020年11月20日(金)



【連載】「新型コロナ感染7段階モデル」で第3波に備える(4)ワクチンは期待薄

 昨日に続いて、11月12日配信の、

新型コロナ「7段階モデル」で今冬の流行を予測(大崎明子 : 東洋経済 解説部コラムニスト)

についての感想と考察。

 まず11月20日の現状であるが、
  • 東京522人など全国で2425人感染 1日の最多更新【11月20日22時41分配信】
    国内の新型コロナウイルスの感染確認の発表は、20日、これまでに全国で2425人となり、1日の発表としては、19日の2388人を超えて過去最多。累計で12万9067人。死者は14人、累計で1982人。
  • 新型コロナ アメリカ1176万人など世界の感染者5720万人【11月21日5時25分配信】
    日本時間の21日午前3時の時点で、世界全体で5720万4849人。死者は136万5612人。感染者の多い国は、多い順に、アメリカが1176万6529人、インドが900万4365人、ブラジルが598万1767人、フランスが213万7096人、ロシアが202万3025人。死者の多い国は順に、アメリカが25万3064人、ブラジルが16万8061人、インドが13万2162人、メキシコが10万104人、イギリスが5万3870人。
 このほか、東京・江東区の豊洲市場で、感染の確認が100人を超え114人になった、といった気になるニュースもあった。水産物自体を通じて感染が拡大することはないはずだが、水産仲卸業者のあいだで感染が広がれば、水産物の流通に影響が出る恐れがある。

 さて、本題に戻るが、記事の6頁目の最後のところでは、新型コロナワクチンの効果やリスクについての高橋泰先生の見解が記されていた。ワクチンに関しては高橋泰先生は否定的であり、むしろ副作用を心配すべきと指摘しておられた。素人ながら、私自身もその見解にはかなり同意できるところがある。

 まずワクチンの効用だが、モデルナが開発しているワクチンの場合、臨床試験(治験)に参加した3万人のうち、ワクチンが2回、4週間空けて投与された実験群では5人、偽薬が投与された対照群では95人がその後、新型コロナの症状が出たという初期結果のデータが公表されたという。条件つき確率の計算から、ワクチンは94.5%の効果があると報じられているが、素人ながら私自身はまだまだ疑問を感じるところがある。
  • 偽薬が投与された1万5000人のうち症状が出たのは95人であるということは、14905人の人はワクチンを投与されなくても感染しなかったことを意味する。このような低い確率で発症し、かつ大半が軽症で済む感染症のために、副作用のリスクをおかしてまでワクチンを投与する必要があるのか? むしろ、重症化しやすいタイプの人たちに対して、徹底した予防対策と治療態勢を整えるべきではないか。
  • 高橋泰先生が指摘しておられるように、「新型コロナは抗体陽性となっても、3カ月ほどで陰性になるということが報告されている。これも、新型コロナが弱毒で生体の細胞を刺激しないため、抗体の産生が続かないからだと考えられる。かからないためには何度も接種する必要が出てしまう。」。上述のモデルナの治験はあくまで、ワクチン投与から短期間での効果を示したものであって、半年後、1年後にも有効かどうかはまだ確認されていない。
  • 副作用についても、高橋泰先生は、「弱毒のウイルスに罹患した後に、強毒のウイルスに罹患するとADE(抗体依存性感染増強)という強毒のウイルスの爆発的増殖によりサイトカインを逆に誘発しやすいことが知られている。つまり、ワクチン接種にADE誘発の危険性がある。」と指摘しておられる。
 もっとも、ワクチンが全く無意味ということもないように思う。多少の副作用リスクがあり、繰り返し投与が必要であったとしても、医療従事者、介護支援者、バスやタクシーの運転手、空港関係者、オリンピック出場選手、大相撲の力士、団体旅行参加者、.....というように、リスクを上回るメリットがある人たちに対しては、投与することには意味があるように思われる。
 とはいえ、全世界の人々にワクチンを投与したからといって、もはや新型コロナウイルスを根絶させることはできないだろう。ウイルスは、ワクチンが効かないような形に変異していくだろう。ワクチンが完成したら元の世界に戻れると考えるのはあまりにも楽観的であり、最低限の衛生管理、予防対策は続けていくほかはあるまい。