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半田山植物園で「もみじ散策」の一環として、「落ち葉でビンゴ」をやっている。私はチャレンジしていないが、休園日を除いてほぼ毎日、植物園通いをしているので、それぞれの樹木がどこにあるのかは全部知っている。なお、直近の紅葉情報は楽天版に掲載しているが、この植物園のモミジ(イロハモミジ、ヤマモミジなど)は、京都の庭園(例えばこちら)に比べると鮮やかさがイマイチという印象がある。むしろ、珍しい樹木の黄葉に注目したほうが楽しみになるかと思う。 |
【連載】#チコちゃんに叱られる!「なんで人間には白目があるの?」 11月20日に初回放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。 本日は、
番組では「狩りが上手になるから」と説明されたが、このことでまず私が思ったのは、 えっ? 人間以外でも白目はあるんじゃないの? ということであった。 私が思い浮かべたのはこちらやこちらにあるような牛の白目であり、また馬にもちゃんと白目があることが確認できる。 もっとも、番組でも指摘されていたように、人間以外の動物では、目の全体にしめる白目(強膜)の割合は小さく、また色がついていることが多い。そう言えば、確かにチンパンジーは白目の部分が黒っぽくなっていた。 解説の橋彌先生によれば、人間以外の動物は、自分の視線が察知されないように(視線を外していると肉食動物から襲われる)ため、強膜が目立たなくなっているという。つまり、強膜は目立ちにくいというのがデフォルトであったようだ。 これに対して、人間では、狩りをする時などにアイコンタクトがとれるように、視線が把握しやすいような白目を獲得した。番組では、「人間はいきていくために白目を手に入れた」と表現されていた。番組ではさらに、白目があることで10メートル離れた人の視線でも読み取れること、また、現代社会でも、白目を使って無言でコミュニケーションをとれることを示す映像が紹介された。最近では、AIでカンニングをキャッチする装置も開発されているらしい。 ここからは私の感想になるが、人間が、コミュニケーションの一手段として視線を使っていたり、また相手が何に注意を向けているのかを知る手かがりとして視線が利用されていることは間違い無いと思われる。じっさい、ベテランの将棋棋士などは、対戦相手が自玉の守りに注意を向けているか、攻めの手を検討しているのかを、視線から読み取っているとも聞く。 もっとも、「アイコンタクトがとれることが有用であるから白目という形態的特質を獲得した」というような説明は、獲得形質の遺伝を前提としており、進化論的には間違っているように思う。確かに狩りの時に視線でアイコンタクトをとることは有用であろうが、リモートでコミュニケーションをとるというだけであれば、指先の合図でも事足りる。また、もし、狩りの時の視線が決定的に重要であるというなら、狩りで生計を立てている種族と、農業や採集で生計を立てている種族では、結果として白目の割合が変わってくる可能性があるが、そのような差が顕著に見られるという証拠は得られていないように思う。 なので、人間においては、何らかの別の原因で強膜が白っぽくなり、結果として視線が把握しやすくなったために、アイコンタクトがコミュニケーションの手段になったと考えることが、妥当ではないかと思われる。 なお、解説者の橋彌先生は、冒頭のところで「(なんで人間だけに白目があるのか)については、狩りが上手になるからというのも1つの可能性だと思います」というようにあくまで「1つの可能性」と解説しておられたが、番組の結論は「人間に白目があるのは、狩りが上手になるから、でした。」というように、「1つの可能性」だったものが、唯一の原因であるかのように誇張されてしまっていた。 いずれにせよ、「人間にはなぜ白目があるのか?」という問いかけではなく、「人間の白目は何に役立っているのか?」という問いかけにして、有用性を解説したほうがより科学的であったように思われた。 |