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【連載】#チコちゃんに叱られる!「野菜と果物の違い」「御飯は左、味噌汁は右」「アルミホイルは片面だけキラキラ」 3月19日に初回放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。 今回は、
元の話題に戻るが、1.の野菜と果物の違いについては、番組では、省庁や学会によりバラバラであると説明された。
これらのバラバラの分類は、「農水省:生産面に着目。農業政策」、「文科省;食品の栄養成分情報の提供」、「厚労省:食品安全」、「総務省:消費動向」というように目的による違いであり、統一基準を設ける意味はないと説明された。 こうした分類の違いは、日常生活においても、また科学研究においても広く見られるように思う。もともと、この世界の事物の差違は連続的、多元的であり、これが絶対的に正しいという基準で分類されているわけではない。分類というのは、人間側が、都合に合わせて外界を区切っているだけのことである。例えば、イカやタコは生物学的には魚ではないが、食用という点では他の魚と同じように魚屋さんの店頭に並ぶ。バナナは日本では果物だが、別の国では主食になることもある。 なお、番組では一切説明されていなかったが、「fruitとvegetableの違い」、あるいは中国語の「水果と蔬菜の違い」などについても調べてみると面白そうだ。 2.の「自分から見てごはんを左、みそ汁を右に置くのはなぜ?」については、番組では「太陽が東から昇るから」、要するに、お米は特別な存在であり、左上位の思想によって、御飯は左、味噌汁は右に置かれるという習慣ができたと説明された。但し、関西など一部の地域では、味噌汁を左奥に置く習慣があるという【こちらに関係記事あり】。 ちなみに私自身は、ご飯や味噌汁の位置を全く気にせずに食べている。上の写真にもあるように、それらの位置は、お盆に載せる順番で決まってくる(お盆を左手で持ったまま、右手で別のお皿をとるため、先に取ったお皿は左側に並べる)と推察している。 いずれにせよ、日常生活では左上位の思想に基づいて「ごはんを左、みそ汁を右に置く」習慣が維持されているとは到底思えない。マナー教育が習慣化したのか、外食産業での配膳の指示事項が一般家庭にも影響したのかは不明だが、利便性というだけから言えば、右利き者の場合、ご飯茶碗も味噌汁も左手で持ち上げて右手の箸で食べることから、左側に置いたほうが食べやすいのではないかと思われる。 3.については、番組では「薄くするため」と説明された。アルミホイルは1911年、ドイツのラウバー博士がアルミフレークを広げて作ったのは始まりであり、日本には1930年に上陸。当初はタバコやチョコレートの梱包材として使用された。その頃のアルミ箔の厚さは0.008mmであり、アルミと上を貼り合わせた「銀紙」として流通していた。その後、1958年に東洋アルミが、オーブン料理に使うための、アルミだけのクッキングホイルを発売。その時の厚さは0.015mmであったが、その後さらに薄くて耐久性のある0.011mmが開発された。但し、その最終工程で2枚のアルミ箔を重ねて圧延する必要があり、2枚が重なった面が変形してデコボコになるためキラキラにならなくなるという。2枚を重ねるのは、圧延ローラーどうしの間隔をこれ以上狭めるとロール同士が接触して薄くできなくなるとのことであった。 なお調理の際、アルミホイルのどちらの面を使っても効果は同じであるという。 アルミホイルは我が家にも何本かあるが、私自身が自分で料理する時には全く利用していない。毎朝食べている焼き芋は、アルミホイルは使わず電子レンジとオーブントースターだけで作っているし、焼き鳥や焼き魚なども面倒なので電子レンジだけで加熱している。必要があるとすれば、乾電池が使えなくなった時に、規格の違う小さめの電池にアルミホイルを継ぎ足して使うことぐらいだろうが、今までそういう事態で困ったことはない。 |