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「接写で楽しむ雑草の花」。今回は、タガラシ。ウォーキングコース沿いの用水路各所で繁殖している。 よく似た黄色い花に、ウマノアシガタ、キツネノボタンなどがあるが、痩果や花の形、生息環境などで区別できる。【こちらに比較写真あり】。 |
【連載】サイエンスZERO『びっくり!魚は頭がいい』その4 ホンソメワケベラのミラーテストと「自己認知」 昨日に続いて、4月18日に放送された『びっくり!魚は頭がいい』の感想と考察。 幸田正典先生による、ホンソメワケベラの実験は、以下のように紹介された【長谷川による聞き取り、要約】。
ここからは私の感想になるが、まず、私がよく分からなかったのは、自然環境のもとで、ホンソメワケベラは自分の体についた寄生虫をどうやって取り除こうとしているのか、という点である。上掲の3.の統制条件では、ホンソメワケベラは、【少なくともこの実験で着けられたマーク程度のレベルでは】触覚的な違和感を手がかりだけは、自分の体についた寄生虫を取り除くことができないことが示されている。そうは言っても、自然環境には鏡は存在しない。となると、ホンソメワケベラは、自分の体についた寄生虫を検知できないので、永久に寄生虫を取り除くことが不可能、もしくは、寄生虫の有無にかかわらず定期的に体を砂にこすりつけて、結果的にそれを予防することしかできないはずだ。このように考えると、それまで一度もやったことのなかったはずの「寄生虫を取り除く行動」が、鏡に映った姿にマークがついていたのを見ただけで突然自発されるというのはまことに奇異であると言わざるを得ない。 いっぽう、ホンソメワケベラは大きな魚の体の表面などについた寄生虫を食べて掃除をする習性があるという。また、もしかすると、時々、じぶんの体を砂でこすって、偶然に剥がれ落ちた寄生虫を食べていた可能性がある。となると、鏡に映ったマークが、自分の近くにエサとなる寄生虫が存在するという弁別刺激となり、捕食行動のレパートリーに含まれる「砂でこする」という行動の自発頻度が増えた可能性も考えられる。いずれにせよ、これらのケースでは、ホンソメワケベラの行動は、「寄生虫を取り除く行動」ではなく、「すぐ近くにある寄生虫を食べる行動」ということになる。 番組の映像では、ホンソメワケベラは、鏡像の位置情報を手がかりにして喉を砂にこすりつけていたように見えているが、例えば、背中にマークした場合、あるいは腹部や尾の近くにマークした場合など、それぞれの位置に一対一に対応して、背中をこすりつけたり、腹部や尾をこすりつけたりする行動が生じるのかどうかも確認する必要があるように思う。もし、位置に対応せず、いずれの場合も喉をこすりつけるとするなら、これは自己認知ではなく、「自分の近くに寄生虫がある → 捕食行動のレパートリーの1つとして、喉をこすりつける行動の自発頻度が増える」ということを示しているのかもしれない。 ところで、今回紹介されたような実験は、ミラーテストとして知られている。じつはスキナーも、Epsteinらとの共同研究で、ハトの「自己認知」の実験を行っている。また一連の実験は動画としても公開されている。 ●Epstein, Lanza, & Skinner (1981). Self-awareness" in the pigeon. Science, 212,695-696. 但し、スキナーたちは、別段、ハトに自己認知の能力があることを実証したわけではない。むしろ、自己認知の証拠とされるような行動は、自己認知という概念を使わなくても、行動分析の原理に基づく基本的な手法の組み合わせの中で実現可能であると主張している。 こちらの記事【動画へのリンクあり】では、この点について、 We often attribute behavior to intelligence, problem solving skills, or reasoning. However, much behavior is a direct result of our interactions with our environment. With the right prerequisite skills or teaching procedure, many simple behaviors can combine or expand, resulting in some highly complex behaviors.と解説している【日本語訳は、DeepLを使用。ほぼ正確に翻訳されているところがスゴい!】。 幸田先生の研究にケチをつけるつもりは毛頭無いのだが、ここに警告されているように、
[※]オリジナルの論文を拝読していないので、いろいろ誤解があるかもしれない。 次回に続く。 |