Copyright(C)長谷川芳典 |
|
「接写で楽しむ雑草の花」。今回は、コマツヨイグサ。繁殖力旺盛で、乾燥にも強く、要注意外来生物に指定されている。夕方開花し翌朝に萎むと言われているが、曇りの日などは昼頃まで花を開いている。 |
【連載】#チコちゃんに叱られる!「生き物が眠る理由」「蕎麦のせいろの上げ底」 4月30日に初回放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。 今回は、「チコちゃんにトットちゃんがやってきたスペシャル」として黒柳徹子さんが出演され、放送時間も72分に延長された。通常、翌日土曜日の朝に再放送があるが、今回の放送分はは5月4日の8:15から9:27に再放送予定であるという。なお、最近、毎回言及しているが、ウィキペディアでは放送リストの掲載・削除をめぐって編集合戦が行われており、今回もいったん4月30日の放送リストが加筆された後、削除に固執する者によって削除版に切り替えられてしまった模様(放送リストは履歴から閲覧可能)。何度も述べているように、放送リストは、雑学的知識の収集にとって有用であるばかりか、この番組の社会的影響を分析する上で貴重な歴史的資料になる。又吉直樹のヘウレーカ!やブラタモリ、歴史秘話ヒストリアなどはみな詳細な放送リストが掲載されているのに、チコちゃんに限って放送リストを削除しなければならないという理由は全くない。一刻も早く、放送リストの復活を望む。 さて、今回の放送では、
まず1.の眠る理由については「飢え死にしないため」と説明された。三島和夫教授(秋田大学)によれば、生き物が眠るのは、エネルギーを使い切って飢え死にするのを避けるため。食物で獲得されたエネルギーは、基礎代謝(内臓を動かす、呼吸する)と残りのエネルギーに分けられる。野生の動物では、いつ食べ物にありつけるか分からないため、エネルギーの消費は生きるか死ぬかの問題となる。そこで餓死しないために眠るという行為を身につけたという。 番組によれば、ネズミの睡眠時間は約14時間もある。体の小さい動物はよく動いてエネルギーをすぐに消費するため、餌をとる時間以外はできるだけ動かないようにしている。これが睡眠の始まり。いっぽう体の大きいゾウはゆっくり動くため、野生では約2時間の睡眠で足りるという。いまのところ、地球上で眠らない生き物というのは確認されておらず、最近の研究では、ヒドラやクラゲも眠ることが確認されており、地球に生命が誕生した直後から生物には「眠り」が備わっていた可能性があるという。なお、動物園で飼育されている動物の場合は、天敵に襲われる危険が無いため、野生の動物よりも睡眠時間が長い。番組では、動物園で飼育されているさまざまな動物たちの寝姿が紹介された。 ここからは私の感想になるが、系統発生的に見て、眠りがエネルギーの節約として機能してきたことは間違いないとは思う。しかしそれだけであるなら、(人間の場合)体を動かさずにじっとしているだけでも十分な節約になるはず。不眠症になっても飢え死にすることはあり得ないはずだ。 少なくとも人間の場合、一定時間の深い眠りは、脳の活動を正常に保つために不可欠であり、このことについてより詳細な説明が必要であるように思う。 次の2.の蕎麦のせいろが上げ底になっている理由については、番組では「将軍・徳川家斉がぜいたく三昧だったから」と説明された。徳川家斉が将軍だった頃は、生涯で側室40人以上、子供の数は55人という贅沢三昧により幕府の財政は悪化した。これを建て直そうとした寛政の改革〜天保の改革では蕎麦の値段を低く抑えられたため、蕎麦屋は蕎麦の量を減らしつつ、より多く見えるようにせいろの底上げを思いついたという。もっとも、せいろの底が上がったいきさつは伝聞として伝えられているだけで確かな資料は残っていないという。「NHKたぶんこうだったんじゃないか時代劇」として面白おかしく演じた点は評価できるが、しょせん「諸説あり」の1つに過ぎないように思う。 なお、この日記で何度も指摘しているように、物事の由来と、それが現在も定着している理由は分けて考察する必要がある。徳川家斉がどうであれ、今の時代のざるそばがなぜ上げ底のせいろで提供されているのかについては別に説明する必要がある。そうめん、冷や麦、つけ麺などがどういう形で提供されているのかも比較する必要があるだろう。 次回に続く。 |