じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 「接写で楽しむ雑草の花」。今回はニワゼキショウ。赤紫色と白色の2色があり、別々に群生しているところもあれば、混在しているところもある【2色の関係はマンテマと似ているようにも思える】。赤紫色のほうが優性(最近は「顕性」)という情報もあるが、未確認。


2021年5月13日(木)



【連載】サイエンスZERO「最新リポート!“夢”の科学」その1

 だいぶ以前に録画【HDDの録画日付は2020年8月16日】した放送だが、最近、私自身が、非常にリアルな夢を見ることが多く、その割に、目が覚めてしばらくすると全く思い出せなくなってしまうのが気になり、改めて録画・再生で視聴してみた。

 この放送に出演されたのは、渡辺恒夫先生(東邦大学名誉教授)と小川景子先生(広島大学准教授)のお二人であった。
 渡辺先生は私の大先輩であり、私が卒論研究のため実験装置を作っていた頃、まだ大学院に在籍しておられた。超心理学やトランス・ジェンダーのほか、哲学にも造詣が深く、科学基礎論学会のご案内をいただいたこともあったが、私にはあまりにも難解すぎてついていくことができなかった。夢研究については『人はなぜ夢を見るのか 夢科学四千年の問いと答え』(2010年)という御著書のほか、幻想実験室の中に、明晰夢実験の紹介などがある(現在は被験者募集は休止)。もっとも、今回の放送では、渡辺先生のオリジナルの研究は全く紹介されず、ご発言も、過去の夢研究の歴史に言及される程度にとどまっていた。
 もうお一人の小川景子先生の研究内容については、実際に“見たい夢”を見られるかどうかという実験が行われている映像が紹介されていた。被験者が見たかった夢は、ジャニーズの何たらとかいう人と一緒にお話しているという場面であったが、実際に見た夢は、実験場面そのものの夢であった。ま、この種の実験で、しかもNHKに撮影されているというような文脈のもとでは、いくらこういう夢を見たいと念じても、そっくりそのまま叶うことはあり得ないものと予想される。いずれにせよ、テレビで紹介された映像は、卒論生の予備実験程度のレベルであり、小川先生のオリジナルの研究成果が放送の中で紹介されることは無かった。

 ということで、研究者が御自身の最新の成果を分かりやすく紹介することの多いサイエンスZEROの番組としては、この回は、少々、異例の番組構成になっているような印象を受けた。




 ここからは具体的な放送内容の話題に入るが、番組冒頭ではまず、アインシュタインの相対性理論、メンデレーエフの周期表、ビートルズのイエスタデイなどがいずれも夢の中で生まれたこと、にもかかわらず夢の正体は未だに謎に包まれていることに言及された。
 続いて、渡辺先生のほうから、フロイト(「願望が夢の中で満たされる」)やユング(「太古の世界の人々の経験が(集合的無意識として)夢に出てくる)といった古典的な考え方が紹介された。さらに20世紀になると、脳波計の発展(1930年代)やREM睡眠の発見(1953年)などにより、これまで主観的な報告に頼っていた夢研究から、客観的な指標で夢を捉える研究ができるようになったことが紹介された。そうした流れの中で、ホブソンは「夢は脳のランダムな刺激で見えてしまう(夢は全く無意味なものだ)」、いっぽうソームズは「夢の源は欲望である」としてフロイトの主張を脳生理学的に基礎づけるような説を唱えた。

 次回に続く。