じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 6月16日の日記で、<6月14日〜7月31日開催>バーチャルウォーキングラリー〜富士山麓から東京を目指そう!〜の話題を取り上げたが、6月25日の時点でようやく三保の松原から富士山に至る第1区間をクリアすることができた。私自身の順位は915位だが、歩数をまとめて登録する人がおられるため【日々、前日夜に登録された歩数に基づいてランキングされるため、前日に未登録の人の歩数は、古いデータのままとなる】、最終順位は1100〜1200位となる見込み。
 それにしても、すでに「4452人中31人がゴール」というのはスゴい。1位の人は、毎日68114歩も歩いている計算となり、フルマラソン以上の距離に相当する。

2021年6月25日(金)



【小さな話題】『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』とタイムトラベル その2

 昨日の日記で、

アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜

の話題を取り上げた。映画自体については特に感想を付け加えることはないが、そこで想定されていたタイムトラベルは、フィクションとはいえ、人生を考えてみる上で興味深い思考実験を可能にしてくれる。

 その前に1つ、留意すべき点があるが、一口にタイムトラベルといっても、
  1. 過去や未来の世界に移動し、第三者として、その世界を観察したり、ある程度関与するトラベル。この場合、トラベラーは、過去や未来の自分自身に遭遇することがある。バック・トゥ・ザ・フューチャーがこれに相当する。このタイプでは、自分が生まれる以前の大昔や、何千年も後の世界に移動することもできる。
  2. 過去や未来の世界に移動し、しばらくのあいだ、そこに生活している自分自身と置き換わることができるトラベル。このタイプでは、過去に失敗した出来事について何度もやり直しをすることが可能だが、移動できる期間は、自分が生まれた後から死ぬまでのあいだに限られる。自分が死んだあとの世界に移動しようとすると、その瞬間に死んでしまうという恐れもある。今回取り上げた『アバウト・タイム』はこれに相当する【但し、過去へのトラベルのみ】。
 『アバウト・タイム』で実際に描かれていたように、2.のタイプの能力があれば、過去にしくじった場面にトラベルすることで、より良い結果を招くようなやり直しができるため、恋人に好印象を与えたり、交通事故を回避したり、演劇での台詞のミスを無くすことが可能となる。

 もっとも、この能力があれば必ずハッピーになれるわけではない。

 まず、人間関係について言えば、そもそも相手を惹きつけるような魅力が無ければ、タイムトラベルで偶発的な出来事をどのように変えたところで相手に好きになってもらうことはできない。

 競馬の結果や、高騰した株を調べた上で、過去に戻って馬券や値上がりする前の株を大量に買い付ければ大儲けできるように思えるが、特定の馬券を買えば買うほど払い戻しの倍率は低下し、儲けが得られにくくなる。株の場合も、大量に買い付けようとすれば買値はどんどん上がってしまう。要するに、買い付ける対象に手を加えれば結果が変わってしまう。トラベルから戻ってみたところ、競馬は払い戻しが原価並みとなって儲けることができる、株についても購入後には逆に値下がりしていた、といったトラベル前とは異なる世界になっている可能性がある。

 超難関の医学部に入学しようとした場合、入試問題・解答が公表されたあとで正解を丸暗記して受験時にタイムトラベルすれば、好成績で合格することはできるかもしれない。しかし、もともと学力レベルが低ければ、仮にそういう形で入学できたとしても入学後の専門教育についていくことができず、結局、留年、退学という結果に陥らざるを得ない。ま、入学後の各種試験についてもそれが行われるたびにタイムトラベルで「再受験」すれば何とか単位取得ぐらいはできるかもしれないが...。

 過去にトラベルしてやり直すことが好結果を招くと思われるのは、あくまで偶発的な要因が関与しやすいケースに限られる。昨日夕刻に、第105回日本陸上選手権で男子走り高跳びの中継をやっていたが、走り高跳びのような競技では、過去に2m35cmを跳べた選手であっても、競技の限られた試技数の中ではすべて失敗してしまうというケースもある。そういう時には過去へのトラベルの能力があれば大いに役立つ。但しその場合、あくまでその選手が2m35cmを跳べるだけの力を持っていることが前提であり、どう頑張っても2mをクリアできない選手であったとすると、何度タイムトラベルしたところでクリアできるはずがない。

 ま、現実の世界では、やり直しが効かないことが多いが、人間は、過去の失敗経験をしっかりと分析し次回に活かすことができる力を持っている。タイムトラベルというフィクションを想定しなくても、改善を重ねて前向きに生きることは不可能ではない。

 次回に続く。