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長雨で水位が上昇していた旭川が、ようやく元の清流に戻った。写真は8月23日と25日に撮影した堰堤の様子。少し前までは濁流となっていたが、25日には川底が見えるほどに澄んでいた。 |
【小さな話題】感情を読み取る最新AIの実力 8月17日放送のモーサテ「ふちこの突撃マーケット」で、表記の話題を取り上げていた。 まず紹介されたのは、赤ちゃんの泣き声から、赤ちゃんの感情をAIが予測する機能を持った「あいねんね」という装置で、すでに商品化されているようだ。ネットで検索したところ、価格は43780円だが、早割で29480円という情報もあり、8月現在の実売価格は不明。 番組によればこの装置は、150の国と地域、20万人以上【リンク先では「15万人以上」となっていた】の赤ちゃんの泣き声をAIが学習し、赤ちゃんが泣いている原因を「お腹が空いた 77.8%、眠たい22.2%」とか、「眠たい69.9% 起こっている30.1%」というように推測する。泣き声の波形が、「不快」、「怒っている」、「遊んでほしい」、「おなかがすいた」など5つの感情【もう1つは「眠たい」?】のもとで異なることを根拠にしているとのことであった。 この話題で面白いと思ったのは、赤ちゃんの「泣き声語」が世界共通という点である。5つの感情によってこれだけ泣き声が異なるというなら、AIに頼らずとも母親(あるいは父親、祖父母など)は泣き声を聞いただけで赤ちゃんの状態を容易に弁別学習できるのではないかと思うのだが、実際はどの程度的中するのだろうか。もっとも、普通、赤ちゃんの状態、特に「眠たい」とか「お腹が空いた」といった状態は、「ずっと寝ていない」、「しばらくお乳を与えていなかった」といった文脈からも容易に推測できる。怒っているとか不快である場合も同様であろう。なので、母親(あるいは父親、祖父母など)は、泣き声という音刺激だけを手がかりにするのではなく、文脈に基づいて、そのつど世話をしているものと思われる。 なお番組では紹介されていなかったが、上記の商品は、他にもヘッドライト機能、ホワイトノイズ機能、推奨起床時刻の予測機能などがあり、総合的に「寝かしつけ」をサポートしているようであった。忙しい親にとっては重宝な装置と思われるが、まずは赤ちゃん自身を自分の目と耳でしっかりと観察することが肝要であり、AIの推測や数値に安易に頼るようになったとしたら問題であろう。 番組では続いて、客が食べたいメニューをAIが予測するというサブウェイの実証実験が紹介された【開発は沖電気工業】。サブウェイのメニューの選択の組み合わせは7000万通りもあるという。番組では、その中から、客が食べたいと思っているメニューをAIが推測し、オススメ順に3メニューを表示した。手がかりは、各種メニューが表示されている時のお客の視線の動きや回数と、それを見ている時の表情にある。表情は「興味関心推定エンジン」に基づき「ポジティブ度合い」として数値化される。ま、論理的に言っても、視線が多く向けられ、かつポジティブな度合いが高いメニューであれば、食べたいメニューの予測には大いに役立つという。沖電気工業では、このほか、「困り」を推定するエンジン【セルフレジで困っている人を見つけるなど】や、瞳孔の開きから興味の度合いを推測する機能なども開発中であるという。 視線の動きを計測する装置は、心理学の実験室では私が学生の頃からすでにあったが、あくまでアナログ的で、精度も悪かった。表情からポジティブ度合いを推定する実験については、別の番組でも見たことがあった。もっとも、私の場合は、メニュー選択の際には価格も相当程度に考慮するので、高額の料理に関心を向けたとしてもダイレクトにそれを選ぶことにはならない。 いずれにせよ、AIによる感情読み取りはさまざまな場面で活用が可能であるとは思うが、例えば、
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