じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 8月28日の楽天版に、時計台横のカイノキが黄葉している写真を掲載したところであるが、津島東キャンパスのカイノキのほうも、葉っぱの黄変が進んでいる。まだまだ猛暑が続いていることからみて、寒気による黄葉ではなく、葉っぱの耐用日数が過ぎたための黄変ではないかと推測される。

2021年8月29日(日)



【小さな話題】東京2020パラリンピック その1

 8月24日から東京パラリンピックが始まっている。パラリンピックの競技を観戦するのは今回がたぶん初めてかと思う。1964年の東京大会の時は、そういう大会が行われているというニュースは耳にした記憶があるが、TV中継が行われたのかどうかも不明。1964年当時の参加者は22か国・地域から567人、今回は161か国・地域から4403人[]というから相当の規模に拡大している。
]参加者数については棄権などもあり未確定と思われる。

 オリンピックと異なり、パラリンピックの競技では、各選手にどのような障がいがあるのか、その障がいが競技にどう影響し、どういう点を克服する必要があるのかを理解した上で観戦すると、より大きな感動が得られるように思う。

 私がこれまでに観戦したのは、競泳種目、陸上競技の一部のみであるが、競泳種目は中継時間が夕食の時間帯と重なっているため、かなりの種目を視聴することができた。

 競泳種目の中継では、競技の合間に障がいの程度や、障がいが競技に及ぼす影響について何度か説明があった。こちらにも説明があるように、競泳では、14通りのクラス分けがあり、1〜10は運動機能障がいで、数字が小さいほど重度であることを示す。11〜13は視覚障がい、14は知的障がいとなっている。
 運動機能の障がい者の中には両足欠損の選手もおられるが、当然、からだ全体の重心が頭部のほうに移るため、普通に両腕で水かきをすると回転してしまって前に進めなくなるらしい。体幹を鍛えてバランスを保ちながら前に泳いでいるというように理解した。
 視覚障がいの重度のクラスでは、公平を期すために、選手全員が「ブラックゴーグル」という、光りを通さないゴーグルを着用するという。視覚障がいでの困難点は、コースをまっすぐ進めず、ロープにぶつかったりジグザグになったりすることをどう克服するかという点にある。また、ターンをする際に、壁に接近したことを知らせるためにタッピングが行われる。今回の中継で実際にその様子を見ることができた。
 知的障がいについては、ネットで検索したところ、「知能指数(IQ)75以下で生活能力の障がいが明らかであること」と定めているという。2000年シドニー大会では卓球、バスケットボールが行われたが、男子バスケで金メダルを獲得したスペインの12選手中10人が健常者であったことが発覚、これを受け、知的障がいクラスはすべて排除となった。その後、2012年ロンドン大会で陸上、水泳、卓球が復帰し、東京大会もこの3競技が行われているということだが、確かにIQは検査方法によっても結果が異なることもあるし、そもそも知的障がいをIQだけでひとくくりにできるかどうかは疑問が残る。

 陸上種目については、走り幅跳びと競走種目の一部を観戦しただけであるが、上記の競泳種目と一番異なっているのは、運動機能障がいの選手は義足を使用していること、視覚障がいの選手は伴走者がサポートしているという点である。
 このことで、水泳でも義足や義手を装着して泳ぐことはできるのではないかとふと思った。しかし、そうではなく、水泳の選手は生身のからだの障がいをそのまま受け入れた上で、障がいを克服する泳法で練習を重ねている。いっぽう、陸上競技では、装着した義足の反発力をどう活かすかといった新たな技を磨く必要がある。
 視覚障がい者の競走種目では伴走者も重要な役割を果たしており、優勝すれば一緒に金メダルを獲得してもよいような気もする。

 いずれにせよ、障がい者のスポーツでは、単に優勝を目ざすというばかりでなく、より多くの障がい者がスポーツに参加し、それによって、自信を持ちながら日々の生活を充実させていくことが重要ではないかと思う。そういう意味では、国別にメダルをいくつ獲得したかという話題よりも、各国の障がい者がスポーツをどのように活かしながら生活をしているのかをもっと紹介して欲しいところがある。