Copyright(C)長谷川芳典 |
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9月18日の17時58分〜18時02分頃、南東の空に半月型の虹が出現した(写真上)。その後、棒状となり(写真下)、一時、左上方向に虹のアーチがうっすら見えるようになったが、日没とともに消失した。 |
【連載】新型コロナとABO血液型(3)「免疫学からみた血液型と性格」(1) まず、昨日まで取り上げていた新型コロナと血液型の関係であるが、リンク先の東洋経済の記事は「2021/09/11 14:00」配信となっており、藤田先生の最新のご寄稿であろうと思っていたのだが[※]、本日、ウィキペディアを閲覧したところ、なんと、藤田先生は2021年5月14日、誤嚥性肺炎のため東京都内の病院でお亡くなりになっていることを初めて知った。ご冥福をお祈りします。 [※]今頃気づいたが、たしかに、この記事の冒頭には「感染免疫学者である藤田紘一郎氏の最新刊『血液型と免疫力』を一部抜粋、再構成し、お届けします。」と書かれていた。 本日は、その藤田先生が『心理学ワールド46号』(2009年7月)に寄稿された、 『巻頭随筆 ことばの森 免疫学からみた血液型と性格(2009年7月)』 についてコメントさせていただくことにしたい。 ちなみに、この『心理学ワールド』というのは日本心理学会の刊行物であるが、学術論文を掲載する雑誌ではなく、 毎号特集テーマを組み、気鋭の研究者の解説記事の他にトピック、インタビュウ、大学の紹介、心理のフイールド紹介、日本の心理学史等が掲載されます。心理学研究者に限らず、一般読者を想定しています。という趣旨の会員間交流誌、啓蒙誌のようなものであり、私も一度だけ原稿を掲載してもらったことがあった。この46号は「子育ての神話」がテーマとなっており、血液型と性格の話題がなぜ巻頭随筆として掲載されたのかはよく分からない。 なお、2009年の日本心理学会の大会は立命館大学衣笠キャンパスで開催されており、血液型関連では、
前置きが長くなってしまったが、私が理解した限りでは、『心理学ワールド46号』に掲載された随筆の要点は以下のようになる【あくまで長谷川による要約・改変】。
要するに、統計的に有意な差があったからといって、それが僅かな差であって、予測や施策に影響を与えるほどでなければ、そのことを大げさに取り上げるのは無意味(=有用性がない)ということになる。例えば、男の子が生まれる確率は女の子が生まれる確率よりも若干高い。統計的には有意に「男の子のほうが生まれやすい」と言えるかもしれないが、だからといって、結婚相手が見つからないほど女性が少ないというわけではない。いっぽう、男女の寿命の差はかなり大きい。なので、生命保険料は男女に差があるし、高齢者施設は女性利用者が多いことを前提に設計される。上掲の、いろいろな病気のかかりやすさが、医療に影響を与えるほどの決定的な差であるとするならば、血液型に基づいて、入院の必要性や重症化対策をとる必要があると思われるが、そこまでの大きな違いは確認されていないように思う。 そうなると、昨日の日記の最後の所にも述べたように、「X型者にはQという傾向を持つ人が多い」というデータを、「あなたはX型者だからQという傾向を持つ」という予測にすり替えてしまうことは、あたかも特定の血液型者全員がそのような傾向を持っているかのように決めつけてしまう危険につながるように思う。 次回に続く。 |