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SNS経由で名字マップというがあることを知った。さっそく「長谷川」で検索したところ、特化係数では、新潟県、山梨県、福島県、鳥取県などに多いことが分かった。確かに私の家系は山梨県に由来している。 もっとも、この調査は「電話帳や住宅地図の表札名の約4千万件のデータを、都道府県ごとに集計したもの」であるというが、私の家は電話帳にも、住宅地図の表札名にも掲載されていないはず。そういう人は多いと思うのだが、どうやって4000万件ものデータが得られたのだろうか。 |
【連載】ヒューマニエンス「“快楽” ドーパミンという天使と悪魔」その5 報酬予測誤差と確立操作 昨日に続いて、9月9日に初回放送された表記の話題についての感想と考察。 本日は少々脇道に逸れるが、昨日取り上げた、 Schultz, Dayan, Montague (1997). A neural substrate of prediction and reward. Science ,275(5306),1593-1599. についてもう少し考えてみることにしたい。といっても原典は入手できていない。あくまで番組で紹介された実験内容についての考察である。
まずこの実験は、レスポンデント条件づけの枠組みで行われている。しかしその場合、ドーパミン放出自体は無条件反応や条件反応であるとは考えにくい。なぜなら、実験が繰り返される中で、ランプが点灯した時にはドーパミンが放出されるのに対して、ランプの後にジュースが出た時点ではドーパミンが出ないという事実は、レスポンデント条件づけでは説明しがたい。要するに条件反応(ランプが点灯した時のドーパミン放出)は生じるが、無条件反応(ジュースが出た時のドーパミン放出)は生じないという奇妙な結果になってしまう。もっとも、ドーパミンはずっと放出され続けるわけでもないだろうから、ランプ点灯時からドーパミンが出たことでジュース呈示にはそれが「枯渇」してしまったという可能性もあるかもしれない。 いずれにせよ、ドーパミンは、ある文脈のもとで放出される。それは、ジュースなどの無条件刺激としての機能、強化刺激(好子)としての機能とはある程度独立しており、付加的に作用すると考えるべきではないかと思われる。 では、オペラント条件づけの場合はどうか? 昨日も挙げた、 人はなぜ購入するのか?:「明らかに予想を上回る性能」とか、「明らかに予想を上回る店員さんの対応の良さ」があったとすると、そのことに感動し商品やサービスを購入しようとする。というのは、「結果の予想」という反応が実際の結果の強化機能を増加、もしくは低減させるという意味で、確立操作の枠組みで説明できるように思われる。 人間の場合はこの「予想」には言語行動が関与すると思われるが、人間以外の動物でもある程度の事前期待は可能であろうと思われる。例えば強化スケジュールにおいて、定時的あるいは定率的に強化されるFIスケジュールやFRスケジュールに比べて、不定期あるいは変動比率的に強化されるVIスケジュールやVIスケジュールのほうが、反応が活発に起こり、消去抵抗が大きいということも、これに関係しているのではないかと思われる。ギャンブルに依存しがちなのも同様。釣果が不確定である釣りが悪魔の趣味と言われているのも同様。いずれも、確率は低いが、時たま予想外の結果が生じるという点で強化力が大きい。 ま、私がほぼ毎日執筆している「じぶん更新日記」というのも、【現実にそのように実践できているかどうかは心許ないが】趣旨としては日々新しいことを体験したり、新しい知識を獲得したり、発見をしたりした時の喜びを記すということになっている。 もっとも、歳をとるにつれて、体力や知力がしだいに衰え、以前できたことができなくなることによって、日常の平凡な生活自体が保証されなくなってくる。そうなると「事前期待値」そのものが大幅に下がり、「もうできないと思っていたことができた」という形で新たな喜びを生むこともある。今年の元日や、5月6日にも記したことがあるが、「じぶん持続」も重視しながら、「補償を伴う選択的最適化(selective optimization with compensation=SOC)」という下降線の中で「じぶん更新」を重ねていくことが最善ではないかと思っている。 次回に続く。 |