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【連載】最近視聴したYouTube動画「巨大数」(1) 昨日に続いて最近視聴したYouTubeの雑学系動画のメモと感想。今回は、 ●宇宙がいくつあっても足りない数!?「巨大数」を紹介【ゆっくり解説。2021年11月7日】 について取り上げる。 まず私が理解した範囲で巨大数とは何か?について述べるが、そもそも数(実数)は無限にあり、「これより大きい数は存在しない」という意味での最大数というのは存在しない。もし最大数が存在したとすると、その数をGと置いた時には、G+1を作ることができる。G+1はGより大きいので、Gが最大であるという仮定に反するので、数は有限ではないと簡単に証明できる。 なので、原理的には、十進法で「99999.......9」というように9を無限個並べればいくらでも大きな数は作れるのだが、これではその数を同定できない。9が何個あるのかも数え切れないし、他の数と大きさを比較することもできないし、コンピュータに入力して何かの計算をすることもできない。 ということで、次の手段として思いつくのは指数表現である。例えば「99」というのは、わずか二つの数字で「387,420,489」という大きな数を表すことができる。指数の部分の9をさらに99というように階段状に増やしていけば、かなりの大きな数を表現できる。このようにして、巨大数をどう表現するのかというのが今回の動画の内容であった。 動画ではまず、キロ、メガ、ギガといった接頭辞が紹介された。もっともこれ自体は数の呼称であて、表現方法ではない。その中で面白いと思ったのは、二進数に基づくコンピュータの世界ではキロ=1000倍ではなく1024倍が使われているが、このことをめぐってメモリの容量とかファイルサイズの表現に混乱が生じているという話題であった。動画によれば、現在、Appleは1000で統一しているが、Windowsのほうは今でも1024となっており、また二進接頭辞は採用していないという。なおウィキペディアのリンク先によれば、 1999年、JEDEC(半導体技術協会)はJESD100-Bを定め、記憶装置の容量を表す場合に限りSI接頭語と同様の名称を2の冪数に用いるものと定義した。すなわち、この規格において1024バイトを1キロバイト、1 048 576バイトを1メガバイトなどと呼ぶことは適正とされる。とのことだ。 大きな数の呼称としては、キロ、メガ、ギガの上に、ペタ、エクサ、ゼタ、ヨタがある。こちらによれば、 世界最大のコンピュータネットワーク機器開発会社「シスコシステムズ」が2015年5月に公表した分析によると、全世界のIPトラフィックの年間量は、2016年中にはゼタバイトの大台を超え、さらに、そのたった3年後の2019年には年間2ゼタバイトに達すると見込まれています。とのことである。いずれにしても、これは呼称の問題であって、数の表し方とは別である。 動画では続いて、指数表記が紹介された。指数表記を使えば、日本の数詞として最も大きい「無量大数」やGoogleの由来となった「Googol」は、それぞれ、1068、10100というように簡単に表すことができる。ちなみに、宇宙内の全素粒子数は1080から1090であり、天文学的数字と言われる大きな数も指数表記で収まってしまうという。 冒頭にも述べたように、大きな数はいくらでも存在するが、何かを操作したり比較したりといったコミュニケーション上の有用性が無ければ意味が無い。となると、宇宙内の全素粒子数を超えるような数について何か議論することがあるのか?という疑問が出てくるが、実際には、組合せの数などはもっと膨大になるという。そこで次に考えられるのは、多重指数表記である。これは指数に指数を階段状に重ねる表現であり、これを使えば組合せの数のほか、
この表記のレベルで意味のある数としては、素数分布に関する巨大数「スキューズ数」があるという。 次回に続く。 |