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【小さな話題】「星新一の不思議な不思議な短編ドラマ」はどれも名作 毎週水曜日は、前夜に予約録画してあった、 星新一の不思議な不思議な短編ドラマを観るのを楽しみにしていたところであるが、8月24日の作品名は「凍った時間」の再放送であった。おかしいなあと思ってウィキペディアを参照したところ、8月16日放送の『処刑・後編』で全20話の放送が終了したことが分かった。 このドラマについては5月25日に#1から#7までについて取り上げたことがあった。そのあとの、#8〜#20もなかなか奥深い内容でどれも名作であった。なお、全20話といっても前後編に分かれて2週連続で放送されたものもあり、実際の作品数は20-2=18作品となっている。第8話以降の作品名は以下の通り。
作品はどれも名作だが、深刻なテーマを扱ったものが多く、必ずしもハッピーエンドには終わっていない。そんななかで笑ってしまったのは『ずれ』という作品であった。「どんなものでも届けてくれる「シューターサービス」」の注文が別の注文者に届けられたために大混乱になるという展開で、これは100%笑える結末であった。 『夜と酒と』は、酒を飲むと女性が現れるという話で、SFというよりも、現実世界でもありうる幻覚の話であった。 いっぽう、私が不気味さを感じたい作品としては『もてなし』が挙げられる。うだつのあがらない男が、ある日「ブルギさん」になったことで日常が一変し、いろいろな人からもてなしを受けるという話。 最後に放送された『処刑』もなかなか奥深い。第8話の『薄暗い星で』と似た設定になっているが、薄暗い星のほうは人間に捨てられたロボット、『処刑』のほうはAI裁判による判決で流刑地の赤い星に送り込まれた人の話で、それぞれ最期が異なっていた。いずれもロケ地は砂漠のようなところで、国内で撮影できる場所というと、鳥取砂丘に隣接した砂丘か、青森県の「猿ヶ森砂丘」、もしくは北海道のどこかの砂浜ぐらいしか思い浮かばないが、なかなか私好みの風景であった。 残酷なシーンが気になったのは『白い服の男』。結末も含めてかなり恐ろしいが、こういう作品こそがSFであるという気もする。 |