じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 半田山植物園で見かけたショウジョウトンボ。こちらによれば、よく似たトンボにネキトンボがあるが、「ショウジョウトンボでは脚まで赤くなるのに対して、ネキトンボの脚は黒色をしています。またネキトンボでは翅の縁紋も黒色です。」という違いがあるという。ネキトンボは昨年9月に接写したことがある。

2022年9月7日(水)


【連載】太陽系の基本知識を更新する(13)小惑星・彗星(1)

 昨日に続いて、NHK「コズミックフロント」:

●「冒険者たちが語る 太陽系のヒミツ」

についての備忘録と感想。本日からは2021年6月10日に初回放送された「小惑星、彗星」を取り上げる。

 まず例によって、私が子どもの頃に読んだ『宇宙のすがた』(鈴木敬信, 1962年、偕成社)で、当時、これらがどのように説明されていたのかをチェックしてみた。

 このうち小惑星については、161ページと264ページに記載があり、161ページでは

●【太陽系には】このほかに、何万個にものぼる小惑星があります。小惑星は大きくても直径770キロメートル、大部分は直径数キロメートルていどのもので、おおくは、火星と木星のあいだのところで、太陽のまわりをまわっています。

と説明されていた。また264ページの基本天文用語解説では、いままでに発見されている小惑星の個数は1627個(1958年末まで)となっていた。また、「なかには、水星よりも太陽に近づいたり、あるいは、地球にひじょうに近づいてくるものもある。」と記されていた。

 いっぽう、ウィキペディアでは、小惑星を、
小惑星(しょうわくせい、独: 英: Asteroid)は、太陽系小天体のうち、星像に拡散成分がないものの総称。拡散成分(コマやそこから流出した尾)があるものは彗星と呼ばれる。
と定義した↑で、その個数は
2019年5月現在、軌道が確定して小惑星番号が付けられた天体は541,128個にのぼる(準惑星5個を含む。小惑星の一覧参照)。この他に仮符号のみが登録されている小惑星で、複数の衝を観測されたものが145,378個、1回の衝を観測されたものが106,326個あり、これらを合計すると794,832個に達する。番号登録されたもののうち、すでに命名されたのは21,922個である。
直径1km程度、ないしそれ以下の小惑星については未発見のものが数十万個あると推測されている。
とされており、1962年発行『宇宙のすがた』の「1627個」の300倍以上の数になっている。なお、1962年当時は最大の小惑星(ケレス)の直径は770kmとなっていたが、ウィキペディアでは、945kmとなっていた。

 次に彗星については、181ページと264ページに記載があり、
  • 何百個という彗星が太陽のまわりを、長円の軌道をえがいてまわっている。これらを周期彗星という。
  • 彗星のなかには、太陽からとおざかると、二度と太陽の近くに戻らないものもある。これらを非周期彗星という。
  • 彗星はどうやら、水やメタン、アンモニアなどの凍ったもののかたまり。
  • 彗星の氷の粒は非常にまばらで、仮に粒の直径が1cmと仮定すると1立方メートルの中に2〜3個の部部があれば十分。
  • ハレー彗星の場合、直径は2万2000kmで、その中に直径15kmの氷の粒がバラバラに散らばっている。
  • 尾に流されたガスは、二度と頭部には戻らないので、頭部の物質は、彗星が太陽に近づくたびに減る。ハレー彗星は、2000年ほど前に比べると、明るさが1/2ないし1/3に減っているそうだ。
  • 周期彗星は現在51個が見つけられている。
などと解説されていた。

 いっぽうウィキペディアでは、彗星を
太陽系小天体のうち、おもに氷や塵などでできており、太陽に近づいて一時的な大気であるコマや、コマの物質が流出した塵やイオンの尾(テイル)を生じるものを指す。
と定義した上で、各種の最新情報を提供している。1962年当時と異なるのは、核の大きさが1〜10kmとなり、コマと核が区別されている点である。ハレー彗星の場合で言えば、核の大きさは15.3 km×7.22 km×7.22 kmほどであり、コマのほうは10万kmに達すると記されている。

 次回に続く。