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北九州市立美術館の敷地内にある『八幡ワークス』という作品。フランク・ステラ(Frank Stella作)。初めて見た時はガラクタの寄せ集めかと思ったが、近づいていろいろな角度から眺めると、核戦争による人類滅亡後の残骸、もしくは『ハウルの動く城』の原型のようにも見えることが分かった。 |
【連載】ヒューマニエンス「“文字” ヒトを虜にした諸刃の剣」(1)表音文字、表語文字、表意文字 10月25日に初回放送された、 NHK ニューマニエンス「“文字” ヒトを虜にした諸刃の剣」 についてのメモと感想。昨日までこの日記で連載していた、 ●“数字” 世界の秘密を読み解くチカラ」 より1つ前に放送されたものであるが、今回の「文字」のほうが、「数字」の放送よりはヒューマニエンスらしい内容になっていた。 放送の初めのところでは、まず、文字というのが人類の長い歴史の中ではごく新しく身につけられたツールであると指摘された、人類はおよそ20万年前に誕生したと推定されているが、現在発見されている最古の文字はおよそ5500年前に書かれたものであり、人類の歴史を100とすると、文字の歴史はそのうちの3%にすぎないという。そのため私たちの脳はまだ完全には文字の読み書きには慣れていないという。そのことをふまえて、この回では、
上にも引用したように、人類の歴史の中では97%は文字無しの時代委であり、日常生活の中では音声コミュニケーションだけで充分であったことが推察される。また、人類の歴史の残りの3%で文字が登場したと言うものの、じつは文字が使われていたのは一部の地域、一部の上流階級に限られており、一般の人々が文字を使うようになったのはここ数百年に限られているという。 古代メソポタミア文明の地であるウルクの遺跡(イラク東部)では、約5500年前の最も原始的な文字が残された粘土板が発見されている。その際の文字は、雄牛、雌牛、子牛を表した絵文字であった。絵文字は、中国の甲骨文字も同様であった。絵文字は巨大都市の経済活動を管理する際に利用されていた。 その後、絵文字は、約5000年前にはエジプトのヒエログリフ、約3500年前には東地中海沿岸では簡素化されて原カナン文字(シナイ文字)、約3000年前にはフェニキア文字、そして後にアルファベットと呼ばれる文字になった。ここで重要な点は、一字で意味がわかる表語文字から、音だけを表し一字では意味がわからない表音文字に変化したことであった。表語文字が単語の数だけ必要でありどんどん文字を作っていかなければならないのに対して、表音文字であればどんな単語でも書くことができる。現在、世界で表音文字を使っている国・地域は世界の全人口の3/4以上を占めている一方、表語文字である漢字を使っている国・地域は、中国、日本、台湾などの少数派となっている。なお、日本の場合は、表語文字である漢字と平仮名や片仮名という表音文字を併用しているという点でユニークな文字体系になっている。 ここまでのところでいったん感想を述べるが、まず、私はこれまで漢字を「表意文字」であると思っていた。「表語文字」とどこが違うのか、ウィキペディアで調べたところ、
世界の3/4以上の人々が表音文字を使っているというのは衝撃的でもあるが、同音異義語の多い日本語ではやむを得ないという面もある。また、私自身は、だいぶ以前、幼児にとって、漢字熟語のほうが平仮名表記よりも覚えやすいと主張したこともあった【後述】。このほか、
次回に続く。 |