じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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「ゴールデン将棋」と「4人将棋」の駒の配置。↓の記事参照。

2023年1月7日(土)


【小さな話題】「ゴールデン将棋」と「4人将棋」/「変わり種囲碁」の可能性

 1月2日の午後、1月2日の午後、NHK−Eテレで、

●2023新春将棋バトル!バラエティー五番勝負

という放送をしていた。内容は「マージャン将棋」、「鉄筋vs.木造将棋」、「ゴールデン将棋」、「4人将棋」、「脳内&10秒リレー将棋」の5本立てであったが、この中の「ゴールデン将棋」と「4人将棋」は特に興味深い内容であった。

 まず「ゴールデン将棋」であるが、↑の左側の画像にあるように、普通の駒の配置に対抗して「ゴールデン」側【とりあえず「先手側」】は、歩と金2枚だけという貧弱な配置となっていた。しかし、玉の右側の金は無敵であって、絶対に取られないというルールになっていた。この最強の金があれば、プロにも勝てるはずだという趣向。但し実際には、ゴールデン側が自陣を守ろうとして別の駒を動かしているうちに飛車や角に成り込まれてあっさり負けてしまった。
 放送でも少しだけ示唆されていたが、このルールのもとでは、とにかく相手の玉に「無敵の金」を近づけていくことが必勝法であるという。但し、なぜ必勝になるのかは放送では解説されなかった。
 ということで自分なりになぜ必勝になるのか考えてみた。まずこのルールから言えることとして、
  • 「無敵の金」がある以上、後手側は自玉の周りに駒を配置しても無意味となる。
  • 後手側は、とにかく大駒を優先しながら先手陣内に成り込んで、一手でも速く玉を詰ませる必要がある。
 さて、後手側の玉がまったく動かなかった場合、先手側の「無敵の金」が後手の玉を討ち取るために必要な手数は、「無敵の金」の出口を作るために歩を動かす1手と、「無敵の金」が玉頭に達するまでの7手の合計8手となる。いっぽう、後手側が王手をかけるためには角筋を開けて馬を作るのが最短ではあるものの馬1つでは先手側の玉を詰ますことはできない。これに加えて飛車や桂馬を繰り出すにはさらに4手から6手が必要であり、かつ先手側もその間にもう1つの金を動かしたり玉が逃げたりできるため結局、先に詰ますのは困難と思われる。
 次に、仮に盤面に「無敵の金」と後手側の玉だけがあった場合に、「無敵の金」1つで玉を詰ますことができるのかを考えてみる。これは、玉が「無敵の金」の動きに合わせて盤面をぐるぐる回るように逃げられるのか、という問題に置き換えられるのではないかと思われる。数学的な証明には到っていないが、有限空間ではどうしても追い詰められてしまうように思われる。

 次に「4人将棋」であるが、ウィキペディアによれば、もともとの4人将棋には、1993年、島根県平田市(現出雲市)の市役所にて考案されたものがあり、その配置は玉の両側に金と銀、玉頭に飛車、飛車の頭と両側に歩、という各9枚の駒の配置になっている。リンク先ではこのほか、スーパーファミコンの4人将棋ゲーム、漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に登場した4人将棋、テレビ番組『四神将棋』が紹介されていた。
 今回の放送の4人将棋はこれらとは異なるルールで独自にアレンジされたものであり、
  • 向かい合う2人ずつがチームを組む。チームの2つの玉のうち1つが詰まされたら負け。
  • 手番は時計回り。但し、王手をかけられた時はかけられた人の手番となる。
  • 味方の玉に王手をかけることはできない。
  • 味方の駒を取って持ち駒にすることができる。
  • 対面(味方)の陣地三段目以内に進むと(金と玉以外は)「成駒」にできる。
といった内容であった。
 必勝法はよく分からないが、味方どうしで駒を取り合って持ち駒を増やすほうが有利ではないかという気もした。

 なお、1月2日の将棋に続いて、1月3日には「囲碁おもしろ対決」という番組が放送されたが、将棋と違って風変わりなルールは導入されず、初心者向けの定石や詰碁などオーソドックスな内容に終わっていた。もし面白い囲碁のルールを作るとしたら、
  • 多角形の碁盤
  • 立方体型の碁盤
  • 球形の五番(地球儀の経度緯度の線を碁盤にする)
などが考えられそうだ。但し、立体の碁盤では、囲まれているのか囲っているのかが分からなくなる場合がある。
 このほか「3人囲碁」や「4人囲碁」も可能だが、「3人囲碁」ではそのうちの2人が連合軍を作ると途端に強くなる。また「4人が赤と黄と青と緑の石で交互に打つ。但し、「赤と黄」、「青と緑」はそれぞれ同じ色の石(味方の石)とする」というルールのもとで2人ずつチームを組んで順番に打つというのは、参加者が一手ごとに交代で打つことと実質的に同じになる。