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GWの帰省中、北九州で見かけたオオニワゼキショウ【写真上】。こちらによれば、高さが20〜30cmでニワゼキショウより大きい。ニワゼキショウ【写真下】は花被片が同形だが、オオニワゼキショウは内と外の花被片の幅が異なる。 オオニワゼキショウは岡山では見かけないが、北九州ではかなり多い。北九州空港の駐車場でも繁殖していた。 |
【小さな話題】ヒューマニエンス『免疫』(1)自然免疫と獲得免疫 新型コロナウイルスの5類移行に伴う「全数把握」の終了にあわせて、毎日行われてきた厚生労働省の全国の感染者数の発表が5月8日で打ち切られた。それによれば5月8日16時時点での新規感染者は9310人、岡山では130人などとなっていた。5類移行といっても、感染が終息したわけではない。また、例えば岡山での新規感染者が本当に130人だけであったとすれば、それらの人たちに隔離・療養をしてもらえば、それ移行の感染者はゼロになるはず。そうではなくて散発的に新規感染が発生するということは、無症状や病院にかかっていない感染者がまだ相当程度おられて、水面下で日々小規模な感染が続いていることを示唆しているように思われる。 そのいっぽう、GW明けからは『令和5年春開始接種』が開始されるという。それによれば、今回の無料接種対象者は、
もっとも私の場合、すでに5回の接種を受けており、次回に接種するとなると6回目となる。こんなにたくさん接種することで、何か累積的に増幅される副反応はないのか、あるいは健康寿命の延伸に致命的となるような症状(例えば細胞分裂の停止など)が起こらないものか、といった不安が無いわけではない。 そんななか、2023年1月10日に初回放送された、NHK『ヒューマニエンス』、 ●“免疫” 変異ウイルスを迎え撃て を録画・再生で視聴した。免疫の仕組みや新型コロナの特徴については、感染が拡大した頃にこちらの連載で考察したことがあったが、その後、新型コロナの研究が発展するなかで、免疫システムそのものについても注目すべき発見があったようである。 放送ではまず「私たちを守る二つの免疫システム」と題して、『自然免疫』と『獲得免疫』、さらに『ワクチン』について簡単なおさらいが行われた。
ここまでのところで、スタジオ・ゲストの元村有希子さん(科学ジャーナリスト)から、なぜ2種類の免疫で分担する必要があるのか? 自然免疫だけを強くしておけばいいのではないか?といった疑問が提出された。これについてはMCの織田さんからは「守備に労力を割き過ぎるとエネルギーが足りなくなるからではないか」というコメントがあった。またスタジオ・ゲストの濱崎洋子さん(京都大学iPS細胞研究所)からは、「それもある。自然免疫はウイルスと細菌をざっくり見分けることはできるが、とにかくハエ取り紙のようなものでベタベタ捕まえて、侵入者の数を減らす役割」と説明された。自然免疫は町の交番、獲得免疫のほうは重大犯罪を取り締まる特殊警察のようなものであるとも喩えられた。 この2段階の免疫システムを持っているのは、脊椎動物の無顎類より上の生物に限られる。昆虫は自然免疫だけであるという。 ここからは私の感想・考察になるが、地球上の一部の生物に獲得免疫が備わったのは、結果として、そのほうが生き残る確率が高かったためであろう、としか考えることができないように思われる。おそらく昆虫のような比較的単純な構造で短命の生き物にとっては、獲得免疫が働く機会は殆ど無い。また昆虫は多くの場合、大量の卵を産み付けて繁殖するので、自然環境ではすべての個体がウイルスに感染して絶滅する可能性は低いようにも思われる【但し、タイワンカブトムシをヌディウイルスに感染させてヤシの木を救うというように、害虫として駆除される場合もある】。 なお、植物には独自の自然免疫のシステムがあるらしい。ネットで検索したところ、こちらに関連記事があった。またBingに、「植物の自然免疫システムと、動物の自然免疫システムにはどのような違いがありますか?」と質問したところ、 植物と動物の免疫システムには、いくつかの違いがあります。植物は、微生物の種類を識別する能力を持ち、病原菌に対しては感染を阻止するための防御反応を誘導し、共生菌に対しては、菌の侵入を受け入れるための共生反応を誘導します1。一方、動物の免疫システムは、抗体や細胞媒介性免疫応答によって、感染症や腫瘍などに対して防御反応を行います2。という回答をいただいた。もっとも上記の回答では「動物の自然免疫システム」のところに獲得免疫が含まれており、純粋な自然免疫システムの比較にはなっていなかった。 次回に続く。 |