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6月24日に放送された、
● 体感!グレートネイチャー 6億年!軌跡の絶景 〜初公開!サウジアラビア〜 を録画・再生で視た【初回放送は5月29日】。 放送の冒頭では、「火星のような砂漠」、「砂岩の大渓谷」、「白黒の大地」、「6億年前の大地の輝き」、「石油の貯蔵庫!?」などの絶景の位置が示されていた【上の画像】。 サウジアラビアを旅行したことは一度も無いが、上掲の5絶景のうち「火星のような砂漠」と「砂岩の大渓谷」のあたりは、ドバイから西に進む飛行機から眺めたことがあった。 下の写真は、ドバイからカサブランカに向かう機上から眺めた「火星のような砂漠」と「砂岩の大渓谷」。 同様の景色はアブダビからアテネに向かう途中にも眺めたことがあり、クレーターのようなものも写っていた。 |
【連載】サイエンスZERO「認知症の転換点」(3)アミロイドβが引き起こす脳血管障害 昨日に続いて、5月28日と6月4日に放送された、NHK「サイエンスZERO」、 についての感想と考察。本日からは#2についてのメモと感想。#2では『脳血管』という別の視点からの研究が紹介された。 放送ではまず、脳の血管に赤い液体を流し込み、周りの神経などを取り除いた標本が紹介された。脳には脳の重さは体全体の2%にしかならないが、血流量で見ると体全体の15%も流れ込んでいて、脳は“血管のかたまり”と言われるほど、血液を必要とする臓器であると説明された。 新潟大学脳研究所では亡くなった患者さんたちの脳を病理解剖し、光シート顕微鏡を使って脳血管を立体的に観察している。顕微鏡画像では、わずか1cmほどの脳のかけらの中に縦横無尽に血管が張り巡らされている様子が分かるが、認知機能が低下していた患者さんの脳血管では。動脈がブツブツと切れ、血管が脱落している部分が見られる。こうした血管の脱落により、その部分から先の血流が悪くなる。アルツハイマー病やパーキンソン病でも、このような脳の微小血管の障害や変性がリスクファクターの一つになっていることがわかってきているという。 このほか、アルツハイマー病の人の脳は正常な人に比べ毛細血管が細く短くなっており、脳から切り出した切片で比較すると毛細血管が約30%減少しているという研究や、アルツハイマー病には脳血管障害が深く関係しているといった指摘もあった。 ここでまた登場するのがアミロイドβであった。前回までのところで、アミロイドβは脳内にたまって神経細胞を死滅させると説明されてきたが、そればかりでなく脳血管の壁にもアミロイドβがたまり、血管が詰まってしまうこともある。これは『脳アミロイド血管症』と呼ばれ、アルツハイマー病患者の9割近くで起きていることが分かっているという。 アミロイドβは健康な人でも毎日生み出されているが、通常は脳から血管を通じて血液とともに排出されている。これに加えて血管壁の中にも排出されるのだが、アルツハイマー病ではその後者の排出がうまくいかなくなると考えられている。血管壁は単なる隔壁ではなく血液を送るポンプの働きをしている。血管壁には血管平滑筋がありその収縮によりアミロイドβが血管壁の中を流れる。しかし加齢などによって血管平滑筋の働きが悪くなると、アミロイドβを排出する力が低下し、アミロイドβが血管の壁にたまり始める。そうすると、血管の壁が厚くなったり壊れたりして血液が流れにくくなり毛細血管が無くなっていきアルツハイマー病が悪化すると考えられている。 前回までのところでは、アミロイドβの蓄積が脳の神経細胞を死滅させることがアルツハイマー病を引き起こすと説明されてきたが、アミロイドβがなぜ神経細胞を死滅させるのかについては特段の説明が無かったように思う。今回の#2によれば、アミロイドβが血管壁に詰まることで毛細血管を減らし、それによって神経細胞への酸素供給が途絶えて神経細胞自体も死滅するようにも思われた。もしそうであるなら、とにかく血管や血管壁を守ることが至上命令であるように思われる。いっぽう、例えばアミロイドβ自体が毒性を持っていて直接神経細胞に作用するのであれば、血管を守るだけでは足りない。そのどちらなのかはイマイチ分からなかったが、とにかく血管や血管壁がちゃんと機能しなければアミロイドβは溜まるいっぽうになってしまうことは確かだ。 それにしてもアミロイドβというのは全くやっかいな物質だが、それが生成されるということはもともと生命維持に必要な過程があるからに違いない。ウィキペディアによれば、 いくつかの動物での研究において、Aβの不在は明確な生理学的機能の喪失を引き起こさないことが示されている。一方で、キナーゼの活性化、酸化ストレスからの保護、コレステロールの輸送の調節、転写因子としての機能、抗菌活性(Aβの炎症促進活性と関連している可能性)など、いくつかの活性を有する可能性が発見されている。と記されていた。念のため、Bingに、 ●アミロイドβはパーキンソン病などを引き起こす有害な物質ですね。しかしわざわざ有害物質を作り出すというのは適応的とは言えません。なので、生命維持や神経活動に必要な何らかのプロセスがありその結果としてやむなくアミロイドβが生成されているようにも思われます。そのようなプロセスは解明されていますか? と尋ねてみたが、 アミロイドβは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)が、β-セクレターゼとγ-セクレターゼの連続的な作用によって生成されます3。アミロイドβの生成に関するプロセスは、まだ完全に解明されていませんが、研究者たちは、アミロイドβの生成に関与する複数の酵素を同定しています2。となっていて、イマイチよく分からなかった。但し、出典(3)のところに「神経毒性機構」とあったので、上記の疑問に関してはアミロイドβ自体が毒性を持っていると考えてよさそうだ。 ちなみに、上記の回答に関連して「APPとは何ですか?」と尋ねたところ、 アプリとは、Application software(アプリケーション・ソフトウェア)の略で、メールや電卓など特定の用途に特化したソフトウェアのことを意味します。アプリは何万と言う種類があって、レシピ検索アプリ、写真投稿サービス、マップ、写真や動画を編集するアプリ、本を読むアプリなど、その種類を上げたらきりがありません。という全く的外れな回答になった。 次回に続く。 |