じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 8月のスマホ決済20%還元イベントを利用して、ホームセンターでBD録画機用のリモコンを購入した【8月31日の日記の写真参照】。いま使っているリモコンは正常に機能するものの、新しい電池を入れて2週間も経たないうちに電池切れになるという問題があった。おそらく、リモコンを使っていない時にも通電が続いているためと思われた。今回購入したのは売り切り品のため960円、スマホ決済20%還元で800円前後という安価になった。
 このリモコンを使用するには、まず、メーカーコード(パナソニックなので「1」)に相当する「1」のボタンと電源ボタンを同時に長押しする設定操作が必要である。この設定にはいくつかのパターンがあり、長押しを続けると継時的に別の設定パターンに遷移するようであった。しかし、設定パターンを変えてもなかなか思い通りにならず手こずっている。
  1. 最初に設定した内容では「メニューボタン」がうまく機能しなかった。また、そもそも予約録画したリストを表示する「録画確認」ボタンがどこにも見当たらなかった。
  2. 2番目に設定した内容では「メニューボタン」が機能するようになった。これでメニューボタンさえ押せば「録画確認」を含む基本的な機能は使えるようになったが、今度は「録画一覧」ボタンが使えなくなった。
  3. 3番目に設定した内容は最悪状態となり、メニューが使えないばかりか、地デジからBSへの切り替えができなくなった。
  4. 4番目の設定で、ようやく「メニュー」、「録画一覧」、「BSへの切り替え」のボタンが使えるようになった。
ということでようやく、基本機能はすべて使えるようになったが、相変わらず「予約一覧」を表示するためには、「メニュー → 予約確認【←メニューのデフォルトの内容には含まれていないので、あらかじめ、お好み設定でメニュー項目に登録しておく必要あり】という2プッシュが必要になることは変わらない。それにしても、予約一覧(予約確認)は、どういう番組を予約したのかを確認したり、予約を取り消す際には不可欠の機能である。そのようなボタンがリモコンに設定されていないのは不便で困る。

 なおこの件については金曜日夜にメーカーの相談窓口に問い合わせたところであるが、水曜日朝の時点ではまだ回答はいただいていない。回答が届いた場合は、その内容をここに追記させていただく。

追記]
9月6日の午後に、メーカーから回答をいただいた。内容は「録画予約リストを表示するボタンですが、メニューボタンなどからご覧いただくことは出来ないでしょうか? 弊社のリモコンは汎用タイプのため、純正のリモコンとボタンの名称や機能が異なっている場合などもございます。】ということであった。


2023年9月6日(水)




【連載】ヒューマニエンス「“免疫” 曖昧な“わたし”をめぐるドラマ」(5)老化細胞が攻撃されない仕組みと『疲弊』

 昨日に続いて、8月28日に初回放送された、NHK『ヒューマニエンス』、

「“免疫” 曖昧な“わたし”をめぐるドラマ」

についてのメモと感想。

 放送では続いて「老化と免疫の深い関係」という私にとっても直接かかわりのありそうな話題が取り上げられた。人の細胞は分裂を繰り返すたびに変異が蓄積していく。その大半は修復されるが、いずれ修復不可能のまま分裂を続けていくと、がん細胞として増殖する恐れがある。そのため、通常は、DNAが修復不可能になった段階で細胞分裂を停止してがん化を防ぐ『細胞老化』という仕組みが備わっている。
 老化細胞は半分変異した自己であるが、もし免疫細胞がこれらをすべて攻撃してしまうと、自分自身のからだがダメージを受け、生きていくための基本的な組織が劣化してしまう恐れがある。そこで、自分を攻撃しないためのブレーキ役が必要になる。吉村昭彦さん(慶應義塾大学)さんは、そのブレーキに相当する『疲弊』という現象を解明した。ここでいう『疲弊』は比喩ではなくて専門用語であり、キラーTが活発に活動しなくなる状態を意味する。キラーTは長時間攻撃を続けていると必ず疲弊するように設計されている。吉村さんのグループは、2019年に疲弊のカギとなる遺伝子『NR4A』の役割を明らかにした【こちらから無料で閲覧可能】。
  1. キラーTが長時間、老化細胞を攻撃していると、NR4Aはエネルギーの使いすぎを検知する。
  2. するとキラーTの表面にいくつものブレーキボタンが現れる。
  3. 攻撃を受けている老化細胞がそのブレーキボタンを押すと、キラーTはたちまち疲弊し攻撃をやめてしまう。
  4. いったん疲弊したキラーTは何もしない状態になり、増殖できず、またパーフォリンを出して攻撃することもできなくなる。
  5. 【吉村さん】もし疲弊が起こらないと、ウイルスに感染した細胞が攻撃されることで組織の細胞が壊され、臓器の機能不全につながる。ウイルスと妥協して体を壊さないのが疲弊の役割。
 疲弊についてはさらに次のようなトークが交わされた。
  • 【藤井彩子アナ】当初、老化した細胞が攻撃されるのは『非自己』だと見なされているから。それを攻撃しなくなるということは、変わっていく自分を認めていく作用ではないか。
  • 【吉村さん】自己と非自己の区別は必ずしも厳密ではない。非自己だと思ってもTレグがいたり疲弊があったりする。
  • 【濱崎さん】胸腺で習う自己は若い時の自己。しかしそれをずっと続けていると自己が変わってしまう。なので、胸腺は早めに閉じておいて、後は必要に応じて末梢で判断していく。


 ここからは私の感想・考察になるが、修復不可能なDNAを持った細胞をそのまま残しておくことは癌のリスクを高めることになる。免疫システムのおかげで、ふだん私たちは、発がん性のある物質を摂取したり紫外線に当たったりしても直ちに癌になることは滅多にないことは確かである。とはいえ、免疫システム自体は、がん細胞と、そうではない老化細胞を見分けることができないようである。そこで、『疲弊』というブレーキのシステムにより、臓器不全を防いでいるという点はよく理解できる。
 『疲弊』という概念が、比喩や擬人化表現ではなく専門用語であるという理由はよく分からなかった。あくまで私の勝手な推測であるが、何かが活動を停止する場合は少なくとも2通りありそうだ。
  1. 外部の指令機能の指示を受けて活動を停止する場合
  2. そのシステム内部の状態が自律的に変化して活動を停止する場合
このうち1.は『停止命令』であり、2.が『疲弊』に相当するのだろう。上掲のケースでは「老化細胞がキラーT表面のブレーキボタンを押す」と解説されていたが、老化細胞自体は指令機能ではないため1.ではなく2.と見なされたのではないかと思われる。

 次回に続く。