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10月23日(火)は半田山植物園が休園日のため、代わりに旭川土手を歩いた。写真は山陽本線の踏切で目撃した『桃太郎』。間近に見たのは今回が初めて。 |
【小さな話題】イエナガ『最高の睡眠』 10月21日(土)に放送されたNHK『漫画家イエナガの複雑社会を超定義』、 ●#24 超コスパ! 最高の睡眠って! のメモと感想。なおウィキペディアの放送リストによれば、この放送は2022年11月4日に初回放送されており、この時のタイトルは、 ●今夜からグッスリ! 最高の睡眠を超速解説の巻 となっていた。 睡眠の話題は2021年6月24日初回放送のヒューマニエンスでも取り上げられており、ある程度の初歩的な知識は持っていたが、今回の放送では、睡眠研究の歴史と背景、睡眠の質向上の対策がコンパクトにまとめられており、大いに参考になった。 冒頭ではまず、OECDの2021年のデータで、日本人の平均睡眠時間は7時間22分となっており、先進国(?)の平均値8時間27分を大きく下回りダントツで最短となっていることが紹介された。なお、この調査では、睡眠時間は長い順に、南アフリカ、中国、エストニア、インド、アメリカなどとなっていた。 また、『NHK国民生活時間調査』(但し1970年と1995年に調査方法変更)によれば日本人の平日の平均睡眠時間は、1960年に8時間13分だったものが年々減少し、2020年には7時間12分となっていることが分かったという。睡眠不足は肥満、高血圧、認知症などの原因になるということも分かってきた。さらに6年前の研究によれば、睡眠不足は経済にも影響を与える。日本だけで1年間に14.8兆円もの損失をもたらしているという。 放送では続いて、睡眠研究の歴史が紹介された。
さて、それでは1日何時間睡眠をとれば良いのか? 睡眠医学では睡眠時間と死亡率の関係から、ベストな睡眠時間はおおよそ7時間とされている。 Self-Reported Sleep Duration as a Predictor of All-Cause Mortality: Results from the JACC Study, Japan.(2004年) どうしても睡眠時間が確保できない場合は、睡眠の質を高めるというアプローチもある。デメント博士の弟子の西野清治教授(スタンフォード大学)及びイエナガの解説によれば。
放送の終わりのところでは、 ●デメントは「睡眠はギフトである(Sleep is a gift.)」という言葉を残している。明日を良い日にするためには今夜から最高の睡眠を自分にプレゼントすることが大切なのかもしれない。 と結ばれた。 ここからは私の感想・考察になるが、私自身は毎日20時半〜21時に就寝、朝5時〜5時半に起床、という規則正しい生活を送っており、寝付きもいいし、夜中に目が覚めて眠れなくなるということも無く、今のところ睡眠に関わる悩みは存在しない。もっともこれはかなり微妙なバランスで維持されており、例えば昼にコーヒーを飲んだ日は、寝付きはいいのだが夜中にいったん目が覚めると再び眠れなくなることがある。また、座った状態では殆ど眠ることができず、国際線の夜間フライトではたいがい睡眠不足になってしまう(もっとも時差が6時間程度であれば2〜3日後には現地時間に馴れることができる)。 最近、シニア割引で5%だけ安くなったこともあり、毎晩寝る前に毎日1本、『ヤクルト1000』を一週間ほど飲み続けたことがあった。1回だけでは効果は実感できなかったが、日々飲み続けているうちに、
睡眠時間の質問調査というのは、回答者が「いつ眠りについたか」を自覚できないため大ざっぱなものになりやすい。また実験室で睡眠の研究をする場合、特殊な環境でいろいろな装置をつけて分析するため、日常とは違った睡眠のパターンが現れる可能性が高い(夢についての研究も同様)。睡眠時間の国際比較などもあまり当てにならないように思われる。睡眠時間と死亡率との関係についての研究は、原典を読んでいないので何とも言えないが、自己申告による睡眠時間であればあまり当てにならないし、また、病弱な人のほうがベッドに横たわる時間が長くなるため、因果関係が逆転し、「長く寝るから死亡率アップ」ではなく、「病弱であるから結果として寝る時間が長くなった」のかを区別する必要があるように思われた。 あとNHKのBSで、時たま放送される『グレートレース』では、参加者が不眠不休で完走をめざして走り続けるようなレースが紹介されることがあるが、体がボロボロになり、幻覚まで生じながら、よたよたとさまよい歩くのはどう見ても健全なスポーツとは言いがたい。参加者の自己責任とは言っても、「不屈の精神」を称えられるような状況ではなかなか棄権もできないように思う。余計なお節介だが、こういうレースでは、各所に休息ポイントを設置し、そこにやってきた参加者には必ず7時間以上の休息・睡眠を義務づけるといったルールを設ける必要があるように思う。 |