じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 桜の名所の1つである半田山植物園ではソメイヨシノの老化が年々進んでおり、殆どの樹木の外皮には各種菌類が発生している。また中心の幹が朽ち果てているものもある。半田山植物園は1953年に造園事業が開始され1964年に開園したということなので、道沿いのソメイヨシノの大部分は60〜70歳となっている。最近は後継ぎとして『コマツオトメ』と『ジンダイアケボノ』という品種への植え替えが進んでいるとも聞く。これにより桜並木は維持されるだろうが、老樹から新品種への植え替えは辰年の私にとっては複雑な心境でもある。



2024年1月11日(木)




【連載】最近視聴した数学系解説動画『内接正方形問題』『完全直方体問題』『バナッハ=タルスキの定理』

 最近視聴したYouTubeの数学系解説動画のメモと感想。すべてド文系でも楽しい【ゆっくり数学の雑学】というチャンネルから配信されたもの。
  • 【内接正方形問題】小学生でも分かるのに数学者も解けない超難問【ゆっくり解説】
     「単純閉曲線上には必ず正方形の頂点となる4点が存在するか?」というもので1911年、Otto Toeplitzにより提唱された。現在までに解明されているのは、
    • 凸な単純閉曲線【←内部にどのような2点をとって直線で結んでも外側に出ることはない】なら成立。
    • 局所的に【←全体の中で限られた部分について当てはまる】単調な【←関数に表すことができる】曲線なら成立。
    • フラクタル図形のような曲線の場合、中心対称や線対称なら成立。
    ということらしい。なので、普通に紙の上にフリーハンドで描いた曲線であればだいたい成立することがすでに分かっている。
     このほかネットで検索したところ、こちらに以下のような説明があった。
    • すべての単純閉曲線に対して,その曲線に内接する正三角形が存在する。
    • 円に内接する正方形は無限にある。楕円や鈍角三角形に内接する正方形はひとつしかない。
     素朴な発想として、正五角形や正六角形、さらに正n角形ならどうか?という疑問が出てくる。念のためBingに尋ねたが、「内接正方形問題とは、円に内接する正方形を定規とコンパスだけで作図することができるかどうかという問題です。」というように誤解されてしまった。さらに、私が知りたかったのは1911年にTeoplitzによって提唱された問題ですと尋ねると、今度はカタストロフィ理論の解説が始まってしまって、肝心な疑問には答えてもらえなかった。


  • 【完全直方体問題】単純なのに誰も解けない数学の超難問【ゆっくり解説】
    『完全直方体問題』というのは、すべての面の辺と対角線、及び立体対角線がすべて自然数であるような直方体が存在するか?というもので、300年以上未解決となっている。但し1012までの組合せでは作れないことがすぐに分かっているという。さらに、
    • 最小辺は2.5×1013よりも大きい。
    • 立体対角線は9×1015よりも大きい。
    ということも分かっている。
     上掲は図形の問題であるように見えるが、実際は、
    • a2+b2=d2
    • a2+c2=e2
    • b2+c2=f2
    • a2+b2+c2=g2
    という4つの方程式の自然数解を求める問題(ディオファントス方程式の1つ)に帰着する。
     素人なりに考えてみると、立体対角線以外の辺がすべて自然数であるような組はすでに知られている。このことをふまえて、立体対角線まで自然数(あるいは有理数)であると仮定するとどこかで矛盾が生じる(よって立体対角線は必ず無理数になる)という背理法を使えばあっさり証明できそうな気がするのだが、そう簡単にはいかないようだ。


  • 【バナッハ=タルスキの定理】無から有を生み出す異次元のパラドックス【ゆっくり解説】
     定理とされているがしばしば『バナッハ=タルスキーのパラドックス』とも呼ばれている。
     この定理には以下のような特徴があるという。
    • 証明されているので「定理」である。
    • 分割方法に言及しているわけではない。←なので、実際にどうやって分割すればよいかは分からない。
    • 体積が保存されない←分割で現れる「部品」の体積は定義できない。
     この定理の背景は集合論における公理の議論に由来しているようだ。ウィキペディアによれば、
    証明の1箇所で選択公理を使うため、選択公理の不合理性を論じる文脈で引用されることがある。ステファン・バナフ(バナッハ)とアルフレト・タルスキが1924年に初めてこの定理を述べたときに選択公理を肯定的にとらえていたか、否定的にとらえていたか、判断することは難しい(「この研究に対する選択公理の果たす役割は注目に値する。」(Le role que joue cet axiome dans nos raisonnements nous semble meriter l'attention.)としか述べていない)。なお、選択公理よりも真に弱いハーン?バナッハの定理からバナッハ=タルスキーのパラドックスを導くことができる。また似たような話題としてシェルピンスキー・マズルキーウィチのパラドックスがあるがこちらは選択公理に依存しない。
    証明の詳細はウィキペディア参照。
     ネットで検索したところ、

    Banach-Tarskiの定理って結局どういうこと?

    という別の解説動画もあり、証明へのリンクもあったが、私の数学力では理解できなかった。けっきょく、完全無欠な公理体系を構築しようとしてもどこかで綻びが見つかってしまうということか。