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じぶん更新日記
風任せ されど櫂だけ 離さぬ手
1997年5月6日開設
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 【2025年10月】オーストラリア南西部・フラワーハンティング(21)サザンクロス(Xanthosia rotundifolia)。
 オールバニーに連泊し、本格的なフラワーハンティングが始まった。まずは西オーストラリアの代表的な花の1つ『サザンクロス』。但し、ピンク色のクロウエアも『サザンクロス』という流通名で知られている。Yahoo!のAIアシスタントによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
サザンクロスという名前で親しまれている花には、主に2つの種類があります。一般的なのはミカン科クロウエア属の植物で、もう一つはセリ科の植物です。オーストラリア原産の星形のかわいらしい花で、日本で「サザンクロス」と呼ばれるのは、ほとんどがミカン科のクロウエアを指します。
  • クロウエア
    クロウエアはオーストラリア南東部の海岸沿いに自生する常緑小低木です。ピンクや白の星形の花を咲かせ、日本では「サザンクロス」という流通名で広く知られています。名前の由来は、星形の花と南半球を代表する南十字星(サザンクロス)が結びついたためです。
    クロウエアの花は、5月から11月頃までと長い期間咲き続けます。花弁は5枚で肉厚で光沢があり、一つの花が1週間以上咲き続けることもあります。葉を軽くもむと、ミカンのような爽やかな香りがするのも特徴です。 園芸品種
  • もう一つのサザンクロス
    日本以外、特にオーストラリアでは、セリ科の「ザントシア・ロツンディフォリア(Xanthosia rotundifolia)」という植物が「サザンクロス」と呼ばれています。これは西オーストラリアの特定の地域に分布する珍しい植物です。

2026年1月14日(水)



【連載】サイエンスZERO『色彩の科学へようこそ!“緑”は生命のシンボル!?』(2)美人画の口紅が緑になった理由/構造色

 昨日に続いて、2025年9月28日に初回放送された『サイエンスZERO』:

色彩の科学へようこそ!“緑”は生命のシンボル!?

のメモと感想。
 放送の後半では緑色を人工的に作り出す試みや『笹紅』の光沢の謎について解説された。

 放送ではまず『マラカイト(孔雀石)』の実物が紹介された。マラカイトは銅の鉱石が二酸化炭素や水に触れて酸化して結晶化した天然鉱物であり、尾形光琳の『燕子花図』の葉っぱにも岩絵の具として使われている。しかしマラカイトはザンビアなど限られた地域でしか採掘されておらず、資源の枯渇が心配されている。放送ではマラカイトの結晶構造が塩基性炭酸銅(Cu2CO3(OH)2)あること、『水熱ホットプレス法』を使った固化体を作る試みが紹介された。じっさいに作られた岩絵の具は天然マラカイトの岩絵の具の色とやや異なっていたが、天然マラカイトに僅かにコバルトが含まれていることをつきとめ、天然にかなり近づけることができた。

 ちなみに究極の「同じ色」というのはどんな光源のもとでも完全に色が一致するということだがこれを実現するのはかなり難しいようだ。

 放送でもう1つ取り上げられたのは『笹紅』の話題であった。江戸時代後期に描かれた美人画では下唇が緑色のように描かれているという謎が解説された【要約・改変あり】。
  1. 笹紅はベニバナ由来の染料で、唇に繰り返し塗ると光沢が出てくる。
  2. 笹紅を黒いプラスチックの上に塗って乾かすと光沢のある緑になる。
  3. 笹紅のベニバナ色素は当初は構造色だと思われていたが、照射する光の角度を15°から60°まで変えても反射率は波長560nmのあたりがピークになった。見る角度で変化しないことから構造色ではなく、緑色の金属光沢であることが分かった。
  4. 笹紅が乾燥すると緑色になるのは『分子会合』が原因ではないかと考えられている【あくまで仮説』。
    • ベニバナの色素はカルサミン分子でできている。
    • カルサミン分子に光があたると緑が吸収され、主に赤と青からなる紅色が反射する。
    • 乾燥すると分子会合により配列が変わると反射する光の波長が少し短いほうにシフトする。そうすると緑を吸収しなくなるので緑色のように輝いて見えてくる。


 ここからは私の感想・考察を述べる。
 まず浮世絵の美人画で唇が緑色になっている件だが、放送内容からは、当時の女性はあくまで唇を紅色に塗っていたが、絵を描いた時に紅色で描いたつもりのところが乾燥して緑色に変化してしまったというように理解できる。それとも本当に緑色の口紅をつける習慣があったのだろうか?

 ということでChatGPTに尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。





結論から申し上げると、**江戸時代の女性が実際に下唇を緑色に化粧していたわけではありません**。 浮世絵美人画に見られる「緑色の下唇」は、**当初は紅色として摺られたものが、顔料の化学変化によって変色した結果**と理解するのが、現在の美術史・保存科学の共通認識です。
以下、順を追って整理します。
  1. 江戸時代の実際の口紅事情
    江戸期の女性化粧において、唇は**紅(べに)**、とりわけ **紅花(ベニバナ)由来の紅**を用いるのが基本でした。
    紅花から得られる紅は、

    * 濃くすると深紅
    * 薄くすると淡い桃色

    になる高級化粧品で、**緑色に見せる化粧法は史料上も習俗上も確認されていません**。
    したがって、当時の人が意図的に「下唇を緑に塗った」という解釈は否定されます。

  2. 浮世絵に使われた「笹紅(ささべに)」とは

    浮世絵の唇や頬に多用されたのが、いわゆる **笹紅(紅花系赤色染料)** です。
    この赤色の主成分は **カルタミン(carthamin)** という有機色素です。

    カルタミンの特徴は以下の通りです。
    • 非常に美しい鮮紅色を出せる
    • しかし **耐光性・耐酸化性がきわめて低い**
    • 経年劣化によって分解・変質しやすい


  3. なぜ「緑色」に見えるのか(変色のメカニズム)
    重要なのは、「赤がそのまま緑に変わった」のではない点です。

    ### 実際に起きていること
    1. もともと
      * 唇:笹紅(赤)
      * 下地や肉色:胡粉+黄系顔料
    2. 経年により
      * 赤色成分(カルタミン)がほぼ消失
      1. 結果として
        * **下地の黄+藍系の輪郭線や影色が透けて見える**
        * 視覚的に **くすんだ緑・青緑に見える**

        つまり、

        > **「赤が緑に変化した」のではなく、「赤だけが消えて、残った色が緑に見える」**

        という現象です。
      2. なぜ特に「下唇」が緑に見えるのか

        浮世絵では構図上、

        * 上唇:線描中心で紅の面積が小さい
        * 下唇:紅をたっぷり面として摺る

        という描写が一般的でした。
        そのため、

        紅が抜けた影響が **下唇に顕著に出やすい**
        * 観る者に強い違和感を与える

        という結果になります。

      3. 保存状態の良い作例との比較
        保存状態の良い初摺・良摺の作品や、光に当たっていない部分を分析すると、
        • 問題の唇部分が **本来は鮮やかな紅色** であったこと
        • 化学分析で **カルタミン由来成分の痕跡** が確認できること
        がすでに実証されています。

      4. 結論(整理)
        • 江戸時代の女性が **緑色の唇化粧をしていた事実はない**
        • 浮世絵の緑色の下唇は
          **紅花由来の赤色顔料(笹紅)が経年劣化で失われた結果**
          * ご指摘の

          > 「紅色のつもりで描いたものが、カルタミン分子の変化によって緑に見える」
          > という理解は、**本質的に正しい**

          と言えます。



       放送ではベニバナ色素が乾燥して赤から緑に変化したと説明されていたが、上掲のChatGPTの説明では、経年劣化で笹紅が失われたというように異なる内容になっていた。放送のほうがより新しい見解であろうと思うが、「ベニバナ色素は乾くと緑になる」というのであれば美人画を売り出す際にはすでに緑色に変化していたはずで、それが分かっているなら別の赤い絵の具で描いていたはずだという気もする。

       このほか、構造色について若干の言及があったので、Yahoo!のAIアシスタントによる解説を以下に引用させていただく。
      構造色とは、物質自体に色素がないにもかかわらず、光の波長と同程度かそれ以下の微細構造によって光が分光され、特定の色の光が反射することで発色する現象です。シャボン玉やコンパクトディスク、モルフォチョウの羽など、身近な場所で観察できます。

      構造色の仕組み
      構造色は、光の干渉、回折、散乱といった光学現象によって生じます。
      1. 薄膜による干渉
        薄い膜に光が当たると、膜の表面と裏面で反射した光が干渉し、特定の波長の光が強め合って色として見えます。シャボン玉や水面に浮く油膜が虹色に見えるのはこの原理です。
      2. 多層膜による干渉
        複数の薄い膜が重なった構造では、各層から反射される光が干渉し、様々な色合いが現れます。アワビの貝殻の内側やモルフォチョウの羽などがこの例です。
      3. 微細な溝・突起などによる干渉・回折・散乱
        光の波長と同程度の微細な溝や突起、微粒子などが規則的に配列している構造でも、光が回折したり散乱したりすることで特定の波長の光が強調され、色として認識されます。コンパクトディスクの記録面やタマムシの体色などがこれに該当します。 色素による発色との違い
        色素による発色は、特定の波長の光を吸収し、吸収されなかった光が反射することで色が見えるのに対し、構造色は特定の波長の光を反射することで色が見えます。構造色は、見る角度によって色が変わるという特徴があります。


      構造色の応用
      構造色は、着色料では出せない鮮やかな色彩表現を可能にし、食品の着色技術や偽造防止インクなど、様々な分野での応用が期待されています。


       上記の中で「食品の着色技術」というのがあったのでさらに検索したところ、

      食卓を七色に彩るデジタルガストロノミーの開発 ―着色料を使わない食品加飾技術―

      という出典不明の文書があった。URLをたどるとIPA(情報処理推進機構)のアーカイブであったが詳細は不明。
       このほか、構造色と食べ物に関連して、

      ブルーベリーの青色は「構造色」だった

      という興味深い記事もヒットした。