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9月17日(木)

【思ったこと】
980917(木)[一般]信仰について(その5):どんな謎も4000字以内で解けるか?
 昨日の日記で「科学的認識は広義の言語行動の形をとるものであり、普遍的な真理はそっくりそのまま認識されるのではなくて、人間の側の要請に応じて、環境により有効な働きかけを行うための秩序づけとして進化していくものだ」というような考えを披露した。
 これに反して、「普遍的真理」であれ「第一原因」であれ、それらは先験的に記述可能であると主張する人もいる。その妥当性を考える材料として、「どんな謎も4000字以内で解けるか」という命題の真偽を考えてみたい。
 「4000字以内で解ける」とはどういうことかと言えば
  • 100年前に謎であったが現在は解決しているすべての謎は、純粋数学であれ、実証されたものであれ、すべて文字だけで解答を記述することができる。
  • どのような文章も4000字以内に要約することができる。
  • よって、現時点で謎のままになっている問題も、4000字以内で要約して記述することが可能。

 例えば、「『3倍して1を加え、2で割れるだけ(奇数になるまで)割る』という操作を繰り返すと、どんな奇数も最後は1になる」という予想は私が知る限りでは未だに証明されていないそうだ(フェルマの定理が証明されたことによってその後解決されたのかどうかは調べていない)。しかし、いずれ誰かが証明した時には、その記述は有限の文字で表現されるはずだ。それは4000字以内に要約可能であろうという意味。そこで、コンピュータで、日本語の単語を文法構造を誤らないような形で次々と組み合わせていく。組み合わせの結果について、それが妥当な証明であるかどうかを瞬時に判断できるコンピュータさえ存在すれば、苦労して考えなくても、自動的に証明ができるであろうというものだ。では、この命題のパラドクスはどこにあるのだろう? きょうは時間が無いので、他にもいくつかの例を掲げておくことにしたい。
  1. 将棋に先手必勝法があるか無いかということは4000字以内で記述できる
  2. タイムマシンの製作方法、もしくはタイムマシンは絶対に作れないという証明は4000字以内で記述できる。
  3. 癌を治す薬の合成法は4000字以内で記述できる
  4. 徳川幕府の埋蔵金の隠し場所は4000字以内で記述できる。
  5. 和歌山の毒物混入カレー事件の真犯人は4000字以内で予言できる。
【ちょっと思ったこと】
  • 9/19朝のNHKニュースによれば、日本ハイカの背任事件で、元社長が金券ショップなどで換金したお金の一部の16億円を個人の借金返済にあてていたという。だいぶ昔に府中市で3億円事件などというのがあったが、もし犯人が捕まっていたとしたら、今回の元社長とどっちが罪が重くなるのだろうか。中国では横領事件でも死刑になることがあると聞くが、日本では背任・横領事件と強奪事件の刑の重さはどのように規定されているのだろうか。
【新しく知ったこと】
  • 9/18の朝日新聞「窓」によれば、数学の定理や公式を体感できる道具を150点近く集めたマセマティカル・アート(数学芸術)展が、23日から北海道旭川市内で開かれるという。余談だが、ネット上で三平方の定理などを詳しく解説しているサイトとしてはこちらがオススメ。
【夕食後の夫婦の散歩】第12日目:妻の歩数で3223歩。
  • 贈呈用のクッキーを買うため、大学構内から妙善寺バス停を経てケーキ屋を通るコース。途中、知り合いを含めて、散歩する夫婦を5〜6組見かける。流行しているのかなあ。
【生活記録】
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】
  • 17日の東証平均株価は338.56円安の13859.14円。バブル後の最安値更新。18日のNY株式も200ドル以上の値下がり。