じぶん更新日記1997年5月6日開設Y.Hasegawa |
ヤブガラシ。タチの悪い雑草だが花は美しい。後ろの山は半田山。 |
【思ったこと】 990719(月)[心理]ルール支配行動から生きがいを考える(6)楽しみを増やす方法(その1) 昨日の日記の続き。今日は、行動することを楽しく感じるのはどういう時か、どうすればより楽しく感じるのかについて考えを述べてみたい。まずはいつもの通り『新明解国語辞典 第五版』で辞書的な意味を確認しよう。 楽しい:その状態を積極的に受け入れる気持ちが強く、出来ることなら それを持続したい感じだ。この定義は行動分析学でいうところの好子(コウシ、「正の強化子」と同義)出現の随伴性と非常に似通ったところがある。好子出現の随伴性によって行動が維持・強化されているということは、すなわち、好子が出現する状態を積極的に受け入れその状態を維持すべく行動しているということを意味する。 しかし、「行動し好子が出現する状態」が常に楽しいとは限らない。
まず1番目の好子の種類の話題だが、好子は
このうち生得性好子は、本来は、動物の個体の維持や繁殖に必要な事象(食物、水、適温、空気、性的興奮)と密接に対応するものである。というより、生物の個体の維持や繁殖に必要な事象が生得性好子にならないような動物は仮に突然変異で地球上に存在しても、適応的に行動できないので瞬間的に滅び去ってしまうだろう。例えば、食物が好子にならない動物は直ちに飢え死にするし、性的興奮が好子にならない動物は子孫を増やせないので一代限りで消滅してしまう。 では人間が生得性好子を得るように行動することは無条件に楽しいことになるのか。それも否である。 1つは、人間にとっての生得性好子は、あくまで原始人向けに形成されたものであるということ。例えば食料が十分に確保できない大昔にあっては、糖分や脂質は生き延びるための重要なエネルギー源であった。その後文明が進歩して物余りの時代が到来したが、生物的なレベルでの人間は大昔と殆ど変わっていない。それゆえ、好きな物を好きなだけ食べていると太りすぎや成人病を招く恐れが出てくる。その意味では、文明の進歩は、人間が生得性好子によって強化される楽しみに制限を与えるようになったと言ってもよいだろう。 もう1つは、生得性好子というのは繰り返し与えられると飽和化が生じやすいということだ。飽和化というのは文字通り「それに飽きる」ということ。食べ物でも性的興奮でもそうだが、それが繰り返し出現したり長時間持続したりすると次第に好子としての機能が失われていくようになる。 実は飽和化も個体の維持や繁殖に重要な役割を果たしている。もし、1つの生得性好子が常に他の好子よりも強い強化力を持ち続けていたとすると、その個体は、永遠に同じ行動ばかりを繰り返すことになってしまう。食物が最優位の好子である動物が出現したとしても、食べることばかりに専念して子孫を増やそうとしないので絶滅。交尾することが最優位である動物は食べることを忘れて飢え死にしてしまうだろう。個体の維持と繁殖のバランスを保つように、飽和化と(その反対概念である)遮断化によって生得性好子の強化力が相対的に変化するしくみを備えた動物だけが結果的に地球上に生き残ったと言ってもよいかと思う。 飽和化が起こりやすいということは、生得性好子だけが獲得されるような生き方は刹那的であって永続性のある楽しみが得られないということの証明にもなる。いくら美味しい物でも毎日食べていれば飽きてしまうし、セックスばかりしていても空しくなっていくばかり。 そこで、ただ無制限に生得性好子を出現させるのではなく、どういう形で好子を出現させれば楽しみが得られるのかを工夫する必要が出てくる。時間が無くなったので明日以降に続く。 |
【ちょっと思ったこと】
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【生活記録】
アパート下の花壇で黒いイモムシを見つけた。図鑑で調べたところツマグロヒョウモンの幼虫らしい。ツマグロヒョウモンについては昨年の日記で何度かとりあげたことがある。こちらが本格的な交尾の写真。パンジーやスミレ類を食べているため公園の花壇では食料に事欠かない。モンシロ、アゲハなどと同じぐらいよく見かけるようになったのはそのせいだろう。 |
【今日の畑仕事】
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【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。)】
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