じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 芙蓉と時計台。大学構内の芙蓉が見頃になってきた。

8月2日(月)

【思ったこと】
990802(月)[日記]99年7月の日記猿人界(2):月間得票ランキングの推移

 昨日の日記の続き。下の図は日記猿人の7月の月間ランキングにおける、Top10(青線◆)、Top20(オレンジ線■)、Top30(緑線▲)のランク入り当選ラインの推移を示す。縦軸は得票数、横軸の数字は1997年6月以降の月。Top10の「当選」ラインは1150票前後、Top20入のラインは900票前後、Top30入のラインは650票程前後で安定している。このラインは本年4月以降変わっていない。この「じぶん更新日記」(白抜き○で結んだ線)は、おかげさまで自己2位の1114票をいただいた。私の場合、7月は出張で2日分日記を休んでいるので1日あたりの平均値としては過去最高。深く感謝いたします。

 毎回おなじみの堀内さんが26カ月連続でTop10入りを続けておられる。Top10の性別(推定)は女性6、男性4。Top30内を登録番号別に分類すると、1000番未満が9本、1000番台が10本、2000番台が7本、3000番台が4本であり、やはり1000番台までの日記が上位を占める傾向は続いている。 ちなみに4000番台の最高得票は、山野 涼涼さんの「きょうのにっき」で520票、47位となっていた。

 このほか、月間300票以上(おおむね1日10票以上)獲得した日記数を月別に数えてみると、本年4月が84本、5月が82本、6月が83本、そして7月が89本と、ずっと80本台にとどまっていることも興味深い。4月1日の時点から実質数で900本近く増えていることを考慮すれば、登録日記数が増えてもランキングで票を集める日記はそれほど増えていないというのが実状のようだ。 [Image]


【行動分析学会で思ったこと(1)】
990802(月)[心理]不登校行動と応用行動分析

 日本行動分析学会第17回年次大会(7/29〜7/30、北海道医療大学)に参加した時に思ったことを3〜5回程度に分けて記してみたいと思う。連載第1回目は、2日目の午後に行われた準備委員会企画講演「不登校行動と応用行動分析」について。講演者は埼玉大学の茨木俊夫先生、指定発言は早稲田大の木村裕先生(学習理論の立場から)、北海道札幌東陵高校教諭の大友秀人先生(学校教員の立場から)、北海学園北見大学の中野武房先生(スクールカウンセラーの立場から)であった。

 茨木先生の講演では、不登校問題についての先生ご自身の扱いが、1970年に埼玉大ご着任当初は「神経症モデル」に基づく系統的脱感作を中心とするパラダイム、次いで応用行動分析によるABCモデル、さらに10年ほど前からはグループカウンセリング形式のモデルへと移行した経緯が述べられていた。不登校と言っても本人だけの問題ではない。というより、本人がカウンセリングルームにやってくるとは限らないし、大学の先生が家庭まで押しかけていっても本人が面会するとは限らない。応用行動分析のABC(元の意味はAntecedent→Behavior→Consequence)モデルでは「A:登校に対する嫌悪事態(Aversion)」→「B:それを回避する不登校行動(Behavior)」→「C:一時的な安心(comfortだったかconsoleだったか聞き逃した)」となっているが、そうした個人レベル以前の問題として、親を含んだグループカウンセリング形式のモデルが必要となってきた次第である。

 興味深い話としては、
  • イギリスでは親が関知しない不登校については統計データがあるが、親が関知した上で独自の対処をしている不登校はそもそも問題にされていない。←子育て観の違いのほか、外国では薬物依存などさらに深刻な問題への対応を迫られている現状があるように思えた。
  • インターネットが普及した現代では、引きこもりをしているからといって、本人への情報が遮断されているとは限らない。
  • 臨床心理士任せではなく、学校や家庭は何をしたらよいかという視点が必要。
  • 大学生になるまでは、深層心理学などは教えないほうがよいという意見もある。中学生や高校生にヘタな知識を与えるとそれが深刻化を招くこともある。←素人が医学書を読み過ぎると、何でもない体の不調まで不治の病気の前兆であると思いこんでしまうようなものか。
  • 5年間の実践経験かた得た結論として、民間カウンセリングは経営上成り立たない。民間に任せると、金儲け目当てのインチキ療法の被害者が出てくる恐れがある。
 木村先生のお話の中では
・個人においては、あらゆる行動が常に適応的である。
・あらゆる行動が社会に受容されるとは限らない。
という個人的適応と社会的適応の不一致についてのテーゼ(と言ってよいのか?)が印象に残った。

 大友先生のお話では、母親の責任を問うのではなく、母親を支援、つまり不登校改善をサポートする側への支援を強める大切さが理解できた。

 中野先生のお話では、不登校の事実を知った親が
  1. 不安と混乱(ショック、パニック)
  2. 責任転嫁(悪者探し、家族相互批判、学校批判)
  3. 子どもへの両面感情(不憫さの反面、憎しみも懐く)
  4. 解決への依存(援助機関めぐり、親戚への依存、学校への依存)
  5. 対応への主体的参加(生育上の問題に気づく、親自身の対応の自覚)
  6. 自己洞察(親自身の変容への努力、家族間の問題の取り組み)
  7. 人間的成長
というようなプロセスを辿って問題を解決していくこと、またそれぞれの段階で、カウンセラーがどう対応すべきか、何が禁句となるのか、などがよく理解できた。

 全体的な感想として、新聞やTVの報道と違って、現場のナマの声を聞けた点で意義深いものがあった。ただ、不登校の対象年齢が話題提供者によってマチマチ、できれば小学生、中学生、高校生のいずれかに絞って対応策を話していただけたほうが分かりやすかった。
【ちょっと思ったこと】

【新しく知ったこと】
【生活記録】
【今日の畑仕事】
  • 夕刻に水撒き、ニンジンの間引き、ナス、ミニトマト収穫。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。)】