じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 10月中旬とは言え、まだまだ朝顔が頑張って咲いている。写真は花桃の木のてっぺんまでからみついた朝顔の蔓。「朝顔の木」と呼んだほうがよさそうだ。



10月17日(火)

【ちょっと思ったこと】

ホンモノの備前ばらずし

 夕刻、10月から着任された先生の歓迎会のため、岡山駅西口の福寿司本店へ。ここは岡山でも有名な「ばらずし」の店として知られているところだ。

 ばらずしは、しばしば「ちらしずし」の別名のように言われるが、じっさいは具が遙かに豊富で手の込んだ作り方をしている。旬のものも多く取り入れられるため、同じ店で注文しても季節によって微妙に風味が異なる。

 お店でもらった素材リストを以下に紹介したいと思う。リストのうち「同ちち子」というのは何のことか分からなかった。読み間違いかもしれない。「零余子」、「独活」なんていうのはATOKでちゃんと変換できるところがすごい。
  • 【今年の4月28日】鰆(さわら)、鱧(はも)、曹白魚(ひら)、小鯛、飯借り(ままかり)、車蝦、芝蝦、紋甲烏賊、同ちち子、穴子、藻貝、たいらぎ、まて貝、海月、里芋、人参、牛蒡、蓮根、随喜、独活(うど)、蕗(ふき)、蕨、絹鞘豌豆、生姜、茗荷、舞茸、椎茸、木耳、白胡麻、麻の実、木の芽、銀杏、零余子(むかご)、蕪(かぶ)、筍、干瓢、金糸卵、高野豆腐、菜の花、朝日米
  • 【10月17日】鰆(さわら)、鱧(はも)、曹白魚(ひら)、小鯛、飯借り(ままかり)、穴子、紋甲烏賊、同ちち子、芝蝦、黒袴(赤手えび)、藻貝、海月、たいらぎ、里芋、人参、牛蒡、蓮根、随喜、絹鞘豌豆、生姜、茗荷、椎茸、舞茸、占地、木耳、松茸、栗、百合根、零余子、銀杏、慈姑、柚子、白胡麻、麻の実、金糸卵、干瓢、高野豆腐、木の芽、朝日米
春は山菜類が多く、秋は木の実やキノコ類が多いのが特徴。また、すめしには地物の鰆の漬け酢が混ぜてあり、乾物のもどし、鰆や生姜の漬け込み、野菜の下処理などを含めると2日を費やすという。

 備前ばらずしは、明治の始め頃から第二次大戦前まで、備前から西大寺、岡山あたりの一般家庭で作られていたという。さらにそのルーツにはおよそ700年の歴史があり、質素倹約の建前から、すしの具をすし飯の上に飾らず、すし飯の中に混ぜられたり底のほうに忍ばせて楽しんだという説がある。もっともそれでは見栄えが悪くなるので、店ではすし飯の上と本体の両方に具が入っている。

 ばらずしは、食べ方にも流儀があるようだ。お店の案内によれば、
  • まずは上の具で銚子を傾けながら明るい話題で心を通じ合う。
  • おすし本体をゆっくりと味わう。
  • 残ったおすしは翌日、熱いお茶をたっぷりかける。
という3度の楽しみ方があるという。岡山に来られた時はぜひ賞味していただきたいが、このように本格的なものとなれば、事前に予約を入れておいたほうがよいかと思う。
【スクラップブック】